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2006年7月11日 (火)

滅私奉公

 昨日、ここで
 早い時間帯、主審がFWにシミュレーションで警告を出せば、試合は正々堂々としたものになるだろう。
 と書いた通りの展開になり、ほらきたと思ったら
 主審がシミュレーションをPKにしてしまったのにはこけた。

 デコのW杯が終わった。
 スコラーリ、デコの優勝請負人コンビは目標を達成できなかった。
 ポルトガルは7試合を戦ったが、デコの出場は4試合に留まった。

■グループリーグ
①アンゴラ戦 故障のため欠場
②イラン戦 先制ゴール
③メキシコ戦 イエローカードを持っているため大事を取り欠場

■決勝トーナメント
オランダ戦 先制点につながる右クロスを入れる
イングランド戦 累積警告2回で出場停止
フランス戦 
ドイツ戦 

 初戦はいきなり驚異的なデコゴール、2戦めも得点をお膳立て。
 しかし、準決勝以降は結果が出なかった。

 ネット上のライターはこぞって「デコが不調」「デコ厳しいマークで仕事できず」と書いたが、実情は少し違う。
 開幕前の6月8日、同僚のコスチーニャ(チェルシー)とぶつかり、右足を負傷したのが最後まで尾を引いた。

 毎試合、スポーツドクターの治療を受け、3位決定戦は、あの弱音を吐かないデコが「今日のドイツ戦には出ないほうが良いと思う」と言うほど状態は悪かった。
ESCRIBE DECO (デコブログの翻訳)

 それでもポルトガルファンのためにデコは出た。フル出場した。
 それがデコだ。

 FCポルト時代の恩師ホセ・モウリーニョはオランダ戦の後「デコほどチームのためにファウルも厭わず体を張れる選手はいない」と絶賛した。

 未だ思い通りの選手が揃わず、理想とはほど遠いサッカーで勝ち続けるかつての恩師は、2年前、デコが袂を分かったことを快くは思っていないはず。
 1年前 デコは、バルサのプレースタイルがモウリーニョのそれに似ていると言われ「僕らはあんなリアクション・サッカーをした覚えはない」と辛辣に言いはなった。

 それでもこの二人の信頼関係は損なわれていない。
 デコがバルセロナ残留を明言したことで、クラブチームでの再会は先に伸びたが、もしかすると2010年W杯予選を一緒に戦うことになるのかも知れない。

 デコほどチームのため、ファンのために働く選手はいない。
 日本には滅私奉公という言葉があるが、まさにデコにぴったり。2006-07シーズンではレギュラーとなるであろうメッシに数多くのラストパスを供給し、きっと日本のライターが「メッシ奉公」と書くに違いない。

 デコほどチームワークを重視する選手も珍しい。彼は常々「ロッカールームの盛り上がりが強いチームには不可欠」と言う。
 このW杯期間中、彼はバルサメンバー10人の誰かがワールドカップを掲げてくれることを願っていた(そのラストランナーは自分自身となった)
 彼はいつもバルサの仲間を思っている。退場になったデコとジオが仲良く観戦する絵はテレビ、雑誌で何度も取り上げられた。
 ただ一人、ピッチの戦いを根に持ってしまったファンボメルが謝罪して、しこりを残さないことを望む。

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