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2007年7月 7日 (土)

社員は我慢してるんですよ

 彼のKX-HV200も、ぼろぼろに傷が入っていた。
 僕も同じだった。
 電話機として使い通信端末としても使うという状況のせいなのか、塗装が弱いのかはわからない。
 ただ、同じ電話機をぼろぼろになるまで使い込む二人は、初対面で意気投合した。

 その彼が「今売れているんですよ」と教えてくれたのが京ぽん。
 エアエッジの端末として使えるというのはKX-HV200と同じだが、POPメールが電話機で受信できるというのに惹かれた。
 その頃まだパソコンがあるところでしかメールは読めなかった。
 今思えばそれで何が悪いのかと思うが、人は無いものをねだる。一度手に入れなければ、本当に必要なものなのかはわからない。

 京ぽん2004年7月時点の実勢価格は新規7,800円、機種変更9,800円。
 発売から7月末までは品薄で、一部の大手量販店にしか並んでいなかった。当時はシルバーに人気が集中していた。増産分が8月に入って供給され、ようやく市場に出回った。

 そんなに、いい商品ならばなぜあなたは買わないの?
 そう問うと彼は答えた。
 「品薄だから、社員は我慢してるんです」

 僕はその言葉を聞いて、キリン麦酒の話しを思い出した。
 親戚が下関で酒屋をしている。
 夏休みに遊びに行き甲子園を見ていると、近くの漁協から電話が入る。どうやらビール1ダース贈答品の注文らしい。
 電話を受けたおばあちゃんに、もう亡くなったおじちゃんが叫ぶ。
 「銘柄(の希望)はあるんか?アサヒ持っていけぇや」

 麒麟は売れているから、客の指定がないのならば売れ残っているアサヒを持って行け。
 今とは違うそういう時代だった・・

 1台だけならなんとか手に入れますよという彼の誘いに、それでも1日考えてからお願いした。2週間後、まだ市場にはなかった電話機が手元にやってくる。
 こうして、足回りエアエッジは2台めの電話機を迎えることになった。

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