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2007年11月26日 (月)

坂内食堂 心のチャーシューメン

 ずっと、そういうラーメンが食べてみたかった。
 チャーシューが器を覆っていて、麺が見えない。

 ただこの写真の肉そばが食べられる坂内食堂は福島県。
 いつかまだ見ぬ福島県へ旅した時の夢にとっておいた。

 ところが2007年9月、坂内食堂がお台場にできた。
 フジテレビの目の前アクアシティの5階。
 新横浜にあるのは「ラーメン博物館」だが、こちらは「ラーメン国技館」
 ラーメンは客商売だと思うのだが、芸術や国技に持ち上げる人たちに呆れるし、それに乗って客をにらむようにポーズを決める店主には引く。

 ラーメン屋では、暖かい接客を受けた記憶よりも、そうでない記憶のほうが多い。
 京都の長浜では、なんにしようかなと言ったら「男ならしゃきっとしようぜ!」と怒鳴られたし、ナゴヤの錦では「ほれ、サービス」とニンニクの揚げカスを勝手に丼に放り込まれた。

 さて、お台場。
 国技館なので、それぞれの店員が店先で待ちかまえているのだが、坂内食堂の店員は特に感じがよかった。

 ずっと、こういうラーメンが食べてみたかった。

Photo
 喜多方ラーメン坂内食堂「焼豚ラーメン」850円

 時は移り変わっても、この気持ちだけは抑えられない。


 目の前にこの器が現れたらどんな気持ちになるだろう。
 1枚目のチャーシューを頬張ったらどんな味だろう。
 チャーシューが半分まで減ったらどんな気分だろう。
 いつも、この写真を見ながら想像していた。

 ところが食べ終わるまでの10分ほどの時間
 長く憧れていたラーメンへの憧憬がどこかへいってしまった。

 幸せは手に入れてしまうと、実感するのが難しくなる。
 人はそこにない新たなものを「幸せ」だと考えてしまう。

 今、手にしている心のチャーシューメンを自覚して
大切にしなければいけない。



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