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2009年2月17日 (火)

バイクと住むマンション

 RZ350に乗っていた時は、装備といえば、手袋、ブーツ。
 それにYAMAHAで買った、15,000円のジャケット。
 全身シルバー、宇宙服のようなデザインに、青いラインが入っている。

 バイクは転倒と隣り合わせの乗り物。
 そこがクルマと違う。
 手足がむき出しになっていると、怪我を負う確率が高くなる。
 半袖、半ズボンで乗るなんて、もってのほか。

 「バイクに半袖で乗るのは、素人のやることだ」
と、粋がっていたため、真夏でも長袖のジャケットは欠かさなかった。
 毎日そればかり着ていたから、学食では「あいつ、いつも同じ格好してるけど、他に服ないのかよ」と言われていたかも知れない。

 「moto、それば、5000円で俺に売れ」
 毎日着ていたから、ぼろぼろになっていた銀ジャケ。
 福岡を離れる時、喫茶店のマスターの申し出に、その場で脱いで渡した。
 もちろん、5000円という大金も魅力だったが、ボクが大事にしていたジャケットを、記念によこせと言ってくれているようで、返事には迷わなかった。
 今も時々、あのジャケットは、とっくに燃えないゴミの日に出したんだろうなと、思い出している。

 こうして、皮膚が露出しないようにはしていたものの、貧乏学生に皮つなぎを買うお金はなかった。
 ブルーノートの壁にかかっていたレザースーツは15万円。
 安いものでも、10万円はくだらない。

 だが、社会人ともなると、バイクで怪我をしたので、会社休みます。
というわけにもいかない。
 新車FZR250Rを迎えるに当たり、皮つなぎ、ヘルメット、ブーツ、手袋を一斉に新調した。
 ヘルメットは、現役最後の年、一生懸命応援したケニー・ロバーツのレプリカモデル。
 社会人ならではの、大人買いである。

 4年ぶりに乗るバイクは、極度に緊張した。
 初めて経験する、クルマからバイクへの脳の切替は簡単ではなかった。
 それは例えるならば、さっきまで応接間のソファーに座っていたのに、気づいたら、ジェットコースターの椅子に座っていたようなもの。

 体がむき出しになると、戦闘的な気分になる。
 これは、今思えば、マラソンでレースを走っている時に似ている。

 こうして、フルカウリングのバイクに乗るという長年の夢は叶った。
 だが、社会人になると、なかなか乗る機会がない。
 バイクはいつも、駐車場の隅っこにぽつんとたたずんでいた。
 雨風をしのぎ、盗難防止のためにカバーをかけており、その勇姿を見ることもない。
 部屋に飾っておくことができたら、どれだけ、日々癒されただろう。

 かつて、バイク乗りが憧れた小説「汚れた英雄」 の映画。
 主人公を演じる草刈正雄の部屋。プールサイドに、GPマシンが置かれている。
 ボタン1つで、衣装が回るクローゼットと共に、憧れの原風景だ。
 ボタン1つで回る、電動ネクタイ掛けは通販で手に入れたが・・

 ネットを検索すると、バイクガレージがついた賃貸マンションが東京にある。
 バイク乗りには、たまらない発想である。

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