« コーナーキックの度に神に祈る日々 | トップページ | ヘッドホン用語を整理した »

2009年3月 2日 (月)

漁業

 漁業とは、魚を獲る仕事。

 世界的な漁食人口の増大により、日本人にとって魚は庶民の食べ物から、贅沢品になりつつある。

 捕鯨再開の先鋒である小松正之は、いくつかの著書で次のように書いている。

「クジラは人間の3倍の魚を補食する。長年クジラを捕獲していないことによりクジラが増え過ぎている。クジラが魚を食べてしまうために漁獲高が減っている」

 2004年8月26日、農林水産大臣 亀井善之が「反捕鯨は鯨を、そして人類を救うか?!」という記事を小泉内閣メルマガ第152号に寄稿。クジラが人間の3~5倍の魚を捕食していることを紹介した。

 IWCの席で日本政府はクジラによる捕食について、各種データを"科学的な根拠"として挙げ、一部のクジラの捕鯨再開を主張をしている。

 さて一方、
 捕鯨反対の代表的な組織であるグリーンピースジャパン事務局長 星川淳は著書「日本はなぜ世界で一番クジラを殺すのか」幻冬舎 2007年3月 で次のように書いている。

「クジラが魚を食べ尽くしてしまうという主張をした時点で日本は墓穴を掘ったと言われた。少し生態学的な知識のある人ならたいてい吹き出すだろう。
 調査捕鯨の対象になるヒゲクジラ(クロミンククジラ、ナガスクジラ、ザトウクジラ)はみな、魚ではなくオキアミを主食としている。
 WWFジャパンの声明にもあるとおり、自然界のバランスはクジラと魚の2つの要素で単純に説明できるものではない。
 人間が地球環境に与えているすさまじい影響から目をそらしたまま、片方に激減する魚、もう片方に一部のクジラの胃袋で見つかった魚を比べて「クジラ害獣説」を唱えれば唱えるほど、捕鯨をめぐる日本の"科学"はますます信用を失っていくだけだろう。」

 小松正之は著書「これから食えなくなる魚」幻冬舎 2007年5月 で次のように書いている。

 日本がIWCの席で捕鯨再開を求めているのは「ミンククジラ」「ニタリクジラ」。資源量の少ない「シロナガスクジラ」の捕鯨は求めていない。
 ミンククジラは、スルメイカ、スケソウダラ、サンマ、カタクチイワシ、オキアミなどを大量に食べている。
 もちろん、クジラの増加だけが日本の漁業生産量を減らしているわけではない。第一に獲りすぎ、第二に沿岸が埋め立てや汚染などにより荒らされたこと、クジラの増加はせいぜい三番目だろう。

 小松と星川は対談しているわけではないし、互いを意識して書いたかどうかもわからない。
 ものごとは、違う立場の人の意見を読んで、整理してみると、おもしろいことに気づく。

 僕は今、自分の部屋にいて本とコンピューターの前にいるだけである。
 クジラのダンスも、北の国のオーロラも、この目で見ることはできない。
 なに一つ確証を持つことはできないが、一つだけ確かなのは、視点をずらそうとするトリック、相手を小馬鹿にする態度が不快ということだ。

【 漁業に関する時系列の記録 】

1977年
3月29日、日本が200海里漁業専管水域を設定。

1982年
7月23日、IWCで商業捕鯨一時停止を決議。事実上、国際的に商業捕鯨が禁止された。

1988年
日本が米国の200海里から閉めだされ、年間100万トンの水揚げがあった当地域での遠洋漁業ができなくなった。

2007年
アジア、欧州で回転寿司ブームが起こり、魚食人口が激増したことをメディアが取り上げ始めた。



|

« コーナーキックの度に神に祈る日々 | トップページ | ヘッドホン用語を整理した »