さださんへのはがき #1
さださん、はじめまして 初めてはがきを書きます。 いつも、NHK「今夜も生でさだまさし」を見ながら、一度はがきを書きたいと思っていました。 ありきたりですが、僕はさださんのファンです。 さださんを知ったのはEP盤シングルで「精霊流し」が出た時です。 あ、デビューの時とも言いますね。 その頃、五島列島に住んでいた僕はお盆になると、親戚が集まる佐世保へ家族揃って帰省するのが楽しみでした。 というより、それはなくてはならない行事でした。 というのは、住んでいた新魚目町(今は新上五島町)では、夏になると小学生以上の男子は皆、ペーロンに乗らなければならなかったからです。 転校生で五島に渡っていた僕は、当時、まったく泳げませんでした。 ペーロンに乗ると、泳げない人は海に放り込まれるらしいのです。 「そいで、泳げるようになっとぞ」 と言われて、そういうものかも知れないなとは思いつつも、海に放り込まれてばたばたともがいている自分を想像しました。 ペーロンの船がレースをするような海ですから、足は届きません。 僕は陸にたどり着くことができるのだろうか。 この夏を生きて越せるだろうか。 以前にいた盆地の小学校では、級友を海の事故で亡くしていたため、それはリアルな想像でした。 夏が近づくと、憂うつを通り越して、絶望の日々でした。 それでもオール地元の級友とは違い、僕には別の所に実家がある。 お盆になれば、佐世保に行かなければならない。 ペーロンのレースはお盆にあります。 「お盆は佐世保にいっとーけん、練習だけ乗るともなんやけん」 そう言ってペーロンを逃れました。 佐世保で精霊流しを眺めながら、さださんの「精霊流し」が流れてくる。 ファンの皆さんならば、たまらない情景かも知れませんが、僕にとって精霊流しは、ペーロンを逃れた罪悪感にさいなまれる苦いひととき。 ということで、さださんのファンになったのは、もう少し後のことでした。 結局、一度もペーロンには乗らず仕舞い。 今となっては話のネタに乗っておけばよかったと思いますが、当時は命がかかっていたので、とてもそんな気持ちにはなれませんでした。 はがきが一杯になったので、今日はこのへんで。 また、はがきを書きます。 |
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