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2015年11月20日 (金)

ICUでも、うどんの食べ方がわかりません

「フラット解除の許可が出ました」
ICUに戻って1時間後、看護師から待ちに待った情報が伝達された。
さっそく、バスタオルを持ってきてもらい、小高い枕を作る。
ほんの数cm頭が上がるだけで、ずいぶんと呼吸が楽になる。

こんなに天国とは
生きててよかった


お昼ご飯はうどん
入院して最初に出た、あの汁のない謎のメニューだ。
今日もとん汁らしきものがついているが、それを入れるのか、そっちに入れるのかわからない。


「うどんの食べ方がわかりません」
ICUの看護師に、そんな間の抜けた質問はためらわれる。
この日もまた、麺だけをつるつると吸い込んだ。
奇妙な病院だ。


「なにか希望はありませんか?」
お昼の看護師はずいぶん気を使ってくれる。
それならばと、病室に置いてきたほぼ日手帳が欲しいと言うと、一般病棟看護師が届けてくれた。
今書いているこのあたりは、そうして書き置いた。

書き置いたと言っても、寝たきりなので長文ではなく、キーワード。
手術翌日、そこに書き留めたキーワード以外の出来事は、なにも想起できない。
生命維持機能回復のため、エネルギーがそちらに使われていたのかも知れない。


「音楽でもかけましょうか?」
え?音楽あるんですか、それならばぜひ。
するとどこからかラジカセが運ばれてきて、FM東京をかけてくれた。

その途端、殺風景なICUが、ドラマの中のセットに変わったように見える。
さっきまで白色だったライトが暖色に変わる(気のせい)


こんなドラマセットには、医師の回診が必要だなと思っていたら、副担当の長井医師がやって来た。
「順調ですよ」
午前中の造影MRIのデータを見てきたのだ。

これだけ辛い思いをして、順調じゃないと言われたら今からでもぐれたいところだが、とりあえず想定範囲内の情報にほっとする。
ありがとうございます!
緊急オペがあったらしく、少し疲れている長井医師を心から労った。


18:20
手術後から熱が下がらないため、看護師が氷枕を作ってきてくれた。
こんなに優しくされるのは、いつ以来だろうと考える。
こちらがお金を払っているとはいえ、見ず知らずのおじさんに親切にしていただいて、ありがたいことだ。


20:45
血の塊を含む唾が、あまり出なくなってきた。
助かる。
昨日とくらべてずいぶん快適だ。

とても疲れている
今日はそこそこ眠りたい


両方の鼻には綿球が詰められている。
綿球とは麺かをまん丸にしたもの。
手作りでは、ばっちぃので、綿球2つがパックされてカップに入っている。

商品名は「電子線滅菌済テマカットカップ入り綿球S」
白十字株式会社

あ、ばっちぃからだけじゃなく、手間もカットなんだ。

次々に鼻血が降りてくるので、定期的に取り替える。
看護師さんが交換してくれることもあるが、予備がベッド脇に置いてあり、3時間程度を目安に自分で取り替えていた。
Sと書いてあるのがサイズなのかはわからないが、とにかくけっこう大きい。
これをしばらく入れ続けていると、鼻の穴が大きくなりそうである。

手術後24時間は、この綿球は血が滴るほどで、常に真っ赤だったが、夜になって白い綿球になった。
鼻血が止まったようだ。


手術翌日の夜は、一時間に1度は血の塊を吐き出すために起きたものの、そこそこに眠ることができた。
ティッシュの箱がずいぶん軽くなったこと。
「大」意がいつ訪れるか?
それが少し気がかりだけど。

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