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2016年8月 5日 (金)

ドクターイエローがイエもん達に「ぷわーん」

土曜の午後、遊びでクルマを走らせていた。
カーステレオで流れるロックンロール、こないだカラオケで歌ったメロディ

最近は、大声で歌うためにクルマに乗っている。
東京の暮らしも長くなったので、もうフロントガラスの向こうに広がる都会の景色に目新しさはない。
最低限の注意力を維持して、歌詞を覚えているその曲に合わせて歌う。

大声で歌っている時は、変な顔になる。
(元々変だという話はおいといて)
だから、信号で止まっている時は、周囲に悟られないよう静かに歌う。
まるで腹話術師のように。


2コーラスのサビを歌い終えた時、右手に降って沸いたような人垣がみえた。
ベビーカー、自転車、そしてヤンママに子どもたち。
一斉にカメラを構えたママが橋の下を見下ろしている。
確か、あの下は東海道新幹線・・


そこでピンと来た。
ドクターイエローだな
ダッシュボードの時計をみると、ちょうどのぞみ検測(上り)がやってくる時間帯だ。
ドクターイエローはほぼ10日に1度のペースで大井の東京第二車両所を出て東京から博多へ下る。
途中の停車駅は「のぞみ」に準ずる。
これが「のぞみ検測」だ。
月に1度、すべての駅に停車する検測は「こだま検測」と呼ばれている。


「のぞみ検測」で博多に着いたイエローは博多南駅がある車両基地で1泊。
博多でゴマ鯖とハッちゃんラーメンを食べて英気を養うと、翌日、山陽から東海道に入り、名古屋で天むすを積んで東京まで戻り、大井の車庫に戻って眠る。


夕刻迫るこの時間帯ならば「上り」の方だ。
幸い、道路の左脇にコインパーキングがあり、たった1台分の空きスペースがあった。
よし、せっかくだからちょっと見ていこう。
クルマを停めて跨線橋へ渡り、イエローギャラリー通称「イエもん」の一味に加わる。


今日ってイエローですか?
ちょうど1人分空いていたスペースに潜り込み、隣りにいたヤンママに話しかける。
「えぇそうですよ!」
ショートヘアの小ぎれいなママに、キモイわねこのおじさんという顔をされずに済んだことは今思えばひやっとする。
イエもん仲間の気安さで、つい気軽に話しかけてしまった。


スマホを動画モードに切り替えて時計を見る。
予定通過時間まで、あと2分。
いつもならばあっという間に過ぎてしまうこの短い時間も、ただ同じ姿勢を維持していると長い。

2分あるから、村上春樹を1ページ読もう
そう思ってKindleに切り替えて、今月発売されたばかりの「羊をめぐる冒険」を1ページ読む。
これが、いけなかった。


再びカメラアプリに切り替えると、ちょうど「下り」のN700Xが下って行くところ。
通過し終えたところでスタートボタンをタップ。

そして彼方からツチノコのような、短くて目立たない雰囲気を醸し出したイエローがやってきた。
子どもたちが一斉に手を振る。

ぷわーん

ギャラリーのイエもんたちへのファン・サービスとして警笛を鳴らしてくれた。
在来線では時折、みかける光景だが、イエローでは初めて見た。
電気軌道試験車の運転士にしては粋な計らいだ。

よしっ、いい音も入ったし、いい絵が撮れたぞ。
通常16両編成の半分にも満たない7両編成のイエローはあっという間に過ぎ去った。

その走行音が遠ざかったのを聞き届けて、もう1度ボタンをタップ

カシャっ

え、確か今かしゃって言ったよな・・
こういうことは勘のいい僕は、瞬時にすべてを悟る。
Kindleに切り替えたことで、動画モードがクリアされてしまったのだ。

よかったね~と歓喜の声を上げながら、三々五々家路につくイエもん達。
僕はしばらくその場に立ちすくみ、新幹線が何も映っていないタダの線路の写真「2枚」を呆然と眺めていた。

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