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2016年8月17日 (水)

基本線とはどんな線だ?

いつも大変お世話になります。
先日ご提案いただいた計画(案)についてですが、
基本線では原案どおりで、よいと思います。
よろしくお願い申しあげます。


取引先のサトウさんからこんなメールが届く。
僕は計画にご賛同いただいたと思い、感謝のメールを返す。


早々にご検討いただき、ありがとうございました。
それでは、次回打合せの際、詳細について詰めさせていただきたいと思います。


ご丁寧にサトウさんからは、それに対して返信が届く。
ただひとこと「よろしくお願い申しあげます」と書いてあった。
そんな一言は余計だ・・
メールは基本的に1往復でよい。

いいですか?
いいですよ!

本来、これで終わり。

これに対して

ありがとう
どういたしまして

とやっていたら、1往復で済むメールが2往復になる。
読むのに30秒、書くのに30秒としても「1分」がムダになる。


さて、打合せの日がやってきた。
「原案どおりに進めたいと思います」と口火を切ると、出席者が頷いている。
サトウさんもうんうんと頷いている。口が開いているのが気になるが、それは彼のクセなのだろう。


ところが、会議も半ば、詳細な運用体制に話しが及んだところで、サトウさんが手を挙げた。

そもそも、ウチにはそんな人がいませんよ。

え゛

会議室の時が止まる。
出席者の数人は「またか」という顔をしている。
進行している僕は、開いた口がふさがらない。
実際に口を開けたりはしないで、目を見開いて「なんで?」という表情をつくる。


サトウさんは、何事もなかったかのように、自社の内情を訴え、その計画の履行が現実的に不可能かを話す。
結果的に、その計画は次回までに見直すことが決まり、散会となった。


基本線って、どんな線なんだよ!?

サトウさんの胸ぐらを捕まえて聞くことはできない。
なぜならば、彼はそうやって長年生きて来たからだ。


自らの言葉が言質とならぬよう、あとで責任が及ばぬよう。
言葉の中に、振り幅の大きい表現を織り込む。
もちろん、何事もなければ、それらは単なる「余計な形容詞」に過ぎない。
頭が整理されていない人ほど、話し言葉に形容詞が多い。
文字数をたくさん言わないと、考えていないことがばれるから、お好み焼きのタネに多めに水を入れるように、質感のない言葉を肉づける。


しかし、何も考えていなかったので気づかなかったことに、後で気づくことが多い。
前言を撤回すると「撤回して混乱させた責任」が発生する。
そこで「基本線では」と言った、後出しで言い直せる形容詞を織り込んでおく。

これは彼の「計算」ではない。
もはや「習慣」なのだ。


意味のない形容詞を並べる人から時間を奪われないためには、その場で聞き返す必要がある。

「基本線では原案どおりでよい」とのことですが、何か障害になること、懸念されていることがあおりでしたら、お聞かせくださいませ。
それを踏まえて準備をして次回打合せに臨みたいと思います。
皆様の貴重な時間を無駄にしないため、ぜひお聞かせください。

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