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2019年3月17日 (日)

PDCAを回す男

人はそれぞれ笑いの壺が違う
浅草演芸場で無名の漫才師がつまらない話しをしても、その場の熱気で人々の笑いが同期するということはあるが、それは人がそこに笑いに来ているからだ。
仕事をしている時、人は基本的に笑いに来てはいない。
それでも、ふとした言葉がその人の「壺にはまる」ことがある。

ある日、僕は監査員
国際規格の適正な運用が成されているかをしらべるために来ていた。
責任者のサトウケイコさん。
とても実直な方の様で「なにもできていないんですよ。お手柔らかにお願いします」と不安そう
今日はお忙しいなか、お時間をいただきありがとうございます。それでは自己紹介します。私は監査員のmotoです。よろしくお願いします。では簡単でけっこうですから、自己紹介をお願いします。
「こういうの初めてなんで・・どんなことを言えばいいんですか?」
そうですね。先祖のルーツとかじゃなければ、なにを言ってもかまいませんよ。
すると、サトウさんが突然笑い転げた
椅子から転げ落ちることはなかったが、リビングで1人ポテチを食べながら落語を見ているかのように、遠慮無く。
そんなに、可笑しいですか?
「え、えぇ。ちょっと壺に入ってしまいました」

 

ある日、僕は監査を受ける立場だった。
監査員としてやってきたのはスズキイチロウさん。
この規格の仕事を始めてから、まだ日が浅い。
だが、経験の長さは監査の質とは関係ない。
規程を読み込む理解力
相手の運用を分析する力
アドバイスの引き出し
この基礎的能力、3つが揃えば監査員は務まる。
逆にいえば、この3つがなくて「ただ長くやっている」監査員はヘボだ。

 

アジェンダに沿って一通り、監査項目を終えたスズキさん
クロージングのトークに入る
「とても素晴らしいと思います。既にできていらっしゃるとは思いますが、大切なのはPDCAを回すことです」
ここで、僕のなかに化学変化が起きた

 

「やりっぱなしにしないと言うことです。PDCAを一度回し、なんなら2回3回と回す、回しっぱなしにする」
思わず吹いてしまった
スズキさん、怪訝な顔をしたが、さらに続ける
「PDCAを回すのは平面だけではなく、上にも回していきます。スパイラルアップですね」

 

「PDCAを回す」は、思考停止したエセエリートが使う定型句。
わずか7文字で途方も無い努力を強制できる。
これを使う人は大抵企画力がない。「PDCA」の「P=Plan」すらおぼつかない人だ。自分では「PDCAを回した」ことはなく「PDCAを回す」という便利な言葉を知っているだけの人だ。
しっかりと「PDCAを回している」人はこんな軽い言葉は使わない。
それが、どれだけ多大な労力を要すること、それが誰にでもできるわけではないことを身にしみて知っているからだ。
だから「回しっぱなしにする」とか「上に回す」と「言葉だけを進化させている」自分の浅はかさに気づいていない。

 

「一度きりの人生。ベストを尽くして成功をつかみとれ!」
と言っているようなもので「PDCAを回す」には中身が何も無い。

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