2009年11月10日 (火)

粋ではない I/F

ある日、あなたにメールが届く。
「注文が先方にIFされていません」

受発注業務に従事している人、コンピューター・システムの開発と運用に従事している人ならば、その言わんとしていることはわかるだろう。
だが、一般の人にはなんだかよくわからない。

こうして気軽に「IFされていません」「I/Fがうまくいきません」という人に、I/Fってなんですか?と尋ねると、たいていの人は答えられない。

インターフェース 【 interface 】 には大きく分けて、2つの意味がある。
1,ハードウェアやソフトウェアを相互に接続するための装置・規約・プログラム。
2,複数のシステムでデータをやりとりする部分の仕組み全般。

 インターフェースの言葉の意味は「境界」
 この言葉を日本で最初に取り上げたのは日立。
 企業イメージ広告で、日立がめざす方向性を「インターフェース」という言葉で表した。

 I/Fは「IT技術者がよく使う専門用語ランキング」がもしあれば、トップ3に入るコトバ。
 ただし口述で「あいえふ」「あいすらっしゅえふ」と言われることはなく、口に出して伝える時は「インタフェース」と言われる。

  IT技術者はこのように話す
「インターフェースはどうします?」
 この時、この短い言葉の中には、次の意味が含まれている。

 ホストコンピューターとクライアントサーバーでデータをやりとりするわけだけど、データのファイルレイアウト、個々のデータ項目の定義、個々のコード定義、データをどういう頻度、タイミングで受け渡すか、受渡し後の処理はどうするか、エラー発生時のロジックはどうするか、エラー発生時の運用はどうするか、それぞれのシステム担当者の役割分担・・はどうしようか

 なんと便利なコトバだ。インターフェース
 しかもメールで書く時はI/F。
 170文字の意味が、わずか 3文字で済む。

 ユーザーがコンピューターを使う時の入口になるマウスやキーボードのことを、ユーザーインターフェースあるいは、マンマシンインターフェースと言う。
  データ入力画面のことを、インターフェースと言う人も多い。
 内閣告示で長音は省略できないのだが、 大半の人が長音を書かずインタフェースと書く。

 I/Fと言えば「データのやりとり」を指すことは、2009年の日本では共通理解されている。
 ただし、IT技術者ではない一般ユーザーがI/Fと書くのはやめた方がいい。

 自分の領域における専門用語を、立場がちがう人に言ってはいけない。
 IT技術者はユーザーに対して「I/Fがうまくいっていません」と書いてはいけない。
 「データが正常に送信されていないようです」と書くのが正しい。
 時として、横文字専門用語は事実を曖昧にし、責任を曖昧にする。

 ユーザーは、職人である技術者の真似をして「I/Fがうまくいっていないのでは」と言ってはいけない。
 そういうことを日本では「知ったかぶり」と言う。
 職人には職人のコトバがあり、それを素人が使うのは粋ではないのである。

粋ではない会話の例
◆寿司屋のカウンターにて

客 「大将 あがりちょうだい」
大将「はい お茶 一丁」

客 「大将 おあいそ」
大将「はい お勘定して」

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2009年6月27日 (土)

無線LANを会社に導入させる方法

**社長 様

誓約書

私こと、佐藤一郎は、

この度の 海外第一事業本部 における
無線LAN機器の導入に際し、

今後、無線LANに起因する 情報漏洩により
会社が被った損害金額について

会社が試算した全額を、個人補償することを、
ここに誓約します。

2009年*月*日
海外第一事業部
佐藤一郎

 事務所に無線LANを引きたいという人が、後を絶たない。
 会社は、セキュリティレベル維持のために、無線LANの使用を禁止しているのにも関わらず。

 無線LAN技術は、一定のSecurityが確保されており、素人が情報を盗み出すことはできない。
 だが、情報を盗み出そうという悪意のある専門家にとっては、有線LANよりも、無線LANのほうが、格段に敷居が低い。

 どうしても、無線LANを引きたい、佐藤さんはこう言うのだ。

 だって、便利じゃん 無線LAN。
 僕らは一日中、机に座ってるわけじゃないんだよね。
 社内のあちこちに移動して、打合せするのよ。
 LANケーブルが出てる所ばかりじゃないからね。LANの本数だって限られてるし。

 そもそも、セキュリティってなに?
 産業スパイがウチの会社を狙ってるって?
 現実、あり得ないでしょ。

 単に、自分の席だと、周りに上司がいて 息苦しいから、喫茶コーナーとかに行って、思う存分、ネットがしたいだけでしょ?
 そんなことは、思っていても口に出せない。
 セキュリティ確保について説いても、こういう有事を想定しない人とは、どこまでいっても平行線。
 接点がない。

 そこで、冒頭の誓約書。
 これを出したら、あなたの会社でも、思う存分、好きな場所で、ネットをやらせてもらえます。
 祝!無線LAN導入。



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2008年10月21日 (火)

「仕様です!」と言われたら・・

 「仕様です」

 コンピューター・システムの担当者からこう言われたことがある人は、なめられているか、他人に攻撃的で、その報復を受けているか、どちらかである。

 仕様
 ユーザーの要望に基づいて設計されたユーザー・インターフェース(=ユーザーが実際に使う機能)

 コンピューター・システムづくりは、ユーザーの要望を、クライアント(開発費用の負担者)がSEに伝えるところから始まる。

 ユーザーが要望を言う。
 「郵便番号を入れたら、住所候補が出るようにして欲しいな」
 これをユーザー要求という。

 クライアントが、それを箇条書きにする。
 クライアントが、ユーザー要求をSEに伝える。
 この際、ユーザー要求を書かないで、口頭で伝えるクライアントもいる。
 それは後に「言った」「言わない」のトラブルの元になる。

 クライアントは、ユーザーの希望とは別に、独自の見識で要求をいう。
 「郵便番号の入力を必須にしてくれ。そうしないと、郵便番号が歯抜けになってしまうから」

 SEはユーザー要求をまとめて、設計書を起こし、プログラマーに伝える。
 プログラマーがプログラムを製作して、コンピューター・システムができあがる。

 できあがったコンピューター・システムをユーザーが使う。

 「これって郵便番号が書いていない注文書だと、入力が先に進まないじゃん」
 「郵便番号を、自分で調べろってわけ?」

 使ってみて初めてわかる問題点。
 ユーザーはSEにクレームを付ける。

 「仕様です」は、SEがユーザーの抗議を突っぱねる常套句。
 今時のひとは「こちら、仕様になります・・」と慇懃に言うだろう。

 ユーザーの要望通りにつくられたコンピューター・システムなのである。
 「クライアントの佐藤さんが、あなた達にズルさせないよう、郵便番号を必須入力にしてくれと言ったのです」
 とばらせばそれまでなのだが、問題の解決にはならない。

 クライアントやユーザーは、このように作ると、使った時にどのようなことが起こる。という想像力が低い。要件が見切れていないのである。

 非はユーザー側にある。
 ユーザーは「コンピューターはなんでもできる」と思いこんでいる。
 一を言えば、一〇のシステムができると思っている。そこで、
 「残りの九が抜けていますけど、これは大丈夫ですか?」
 と聞いてあげるのが、親切なSE。

 社内のコンピューター・システム部門とユーザーの場合は、
 「佐藤さんがそうおっしゃったのですが、もう一度、相談してみましょうか?」
 という融通もきくが、社外であるベンダーの場合は、そうはいかない。
 初めに予算が決まっているからだ。
 「こちら、仕様になります・・」と言わない場合は、「作り直しですから、別途予算をいただきます」ということになる。

 「仕様です!」と一刀両断すると喧嘩になる。
 金を出しているのはこっちだ!と思っているクライアント。
 言われたとおりに作っただけだ!と思っているSE。

 SEの間では「仕様です!」はそういう状況を揶揄するジョークとして使われている。

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2008年6月21日 (土)

MACアドレスを調べてください

「MACアドレスを調べてください」

 あ、僕はWindowsだから、関係ないよ。
 と思った方。まだ、帰らないでください。

 それは
 「僕はA型だから、B型肝炎にはかからないよ」
 と言っているのと同じです。

 MACはマッキントッシュのマック(アップルコンピューター)ではありません。
 MACアドレス=Media Access Control アドレス

 MACアドレスは世界中のパソコンにあります。
 正確を期して言うならば、インターネットが普及した後に、製造されたすべてのパソコンの中にあります。
 パソコンに限らず、ネットワーク対応の周辺機器(プリンターやスキャナーなど)にもあります。

 IT用語事典で「MACアドレス」の解説を読んでも、専門用語をつないで書いてあるので素人には意味不明です。あれを理解できる人は、100人に1人でしょう。

 しらべるの「MACアドレス」の定義は、次の通りです。

 ネットワークに接続するパソコンと周辺機器に、製造時に付けられる固有番号。

 すべてのネットワーク対応のパソコンと周辺機器に、唯一無二な番号がついています。

専門用語で言えば・・・
 「イーサネットカードの番号」または「ネットワークカードの番号」
   ↓
 イーサネットカード(ネットワークカード)とは、イーサネット(LAN)に接続するためのカード。
   ↓
 カードと言っても、クレジットカードの形をしているわけではなく、ボード上に配置されたチップ(部品)の集まり。

MACアドレスとIPアドレスは、どう違うのか?

 IPアドレスはインターネット上での、そのパソコンの番地。
 MACアドレスは、すべてのパソコンに製造時に付与される番号。

 IPアドレスはプロバイダー、ネットワーク管理者が決めて、そのパソコンに割り振る番号。
 MACアドレスは世界で統一された規格で割り振る番号(後から変えられない)

LANではない、自宅のパソコンはMACアドレスは使っていないのか?
 IPアドレスはパソコンの内部で、MACアドレスに変換が行われる。
 MACアドレス無しでは、いかなるネットワークにもつながらない。
 インターネットが普及した後に製造されたパソコンでは、MACアドレスがないパソコンはない。

 どうですか?
 MACアドレスを理解できましたか?

 ところで、素人が自宅でパソコンを使っている限り、MACアドレスを意識することはありません。この言葉を知らなくても、何も困りません。

 だったら、書くなよ

 今、つっこんだ方。その通りです。ここでお帰りください。
 って、今日はもう終わりですが。

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2008年6月14日 (土)

不良SEを見分ける方法

 Power Pointのスライドショーを見ている。

 話しているのは、ITベンダーの営業担当者。

「ご清聴 ありがとうございました!」
 プレゼンが終わり、彼がひときわ大きい声で謝辞を述べた時、画面にはスライドショーの最終ページが表示されていた。

EOF

 えおふ?
 いーおふ?

 その場にいる人は、誰もつっこまない。
 それを不思議とは、思わないらしい。


 EOF=End Of File
 EOFは 本来、コンピューターシステムでやりとりするデータ・ファイルの終端を表すコード。
 EOFは プログラムのコードであり、人間が見るスライドショーに記述するのは不適切だ。

 EOFは ユーザーのわかりやすさよりも、自己満足を優先する SEや、ベンダーの営業担当者が使う。

 スライドショーの最終ページに EOF と書いている人は、ユーザーの目線でものごとを見ていない。
 こういう人が関わるシステムの品質は低い。
 こういう人が売り込むシステムを導入すると、とても使いづらい。
 ただそれは、ユーザーが使い始めてみなければわからない。

 分析、定義、設計、製作、テストというコンピューター・システムの創生期では、彼らのカッコイイ言葉が飛び交い、ユーザーは夢を描いているからだ。
 実際に運用が始まると、どんだけ使い辛いかが初めてわかる。

 そこで初めて、ユーザーが文句を言っても遅い。
 すべては創生期において、カッコイイ専門用語で説明済みだからだ。

「仕様どおりですよ」
「あなたが、そのように作るように言ったのですよ」

 そんな技術者に頼んだ自分がバカだった。
 そんな後悔をしないためには、ユーザー目線で仕事をしてくれる人を見極めなければならない。

 EOF はその基準の一つ。
 スライドショーの最後に EOF を書いている人とは、そこで縁を切らなければならない。
 それは、仕事に対する横着さのバロメーターであり、口で言って直るものではないからだ。

 ユーザー向けの資料に I/Fと書く人も同様。こうして、思い出していくと、技術者が疑問を持たずに使っている専門用語は、まだまだありそうだ。
 いつか「不良SEを見極める方法」としてしらべるの 1ページにまとめたいと思う。

ど素人!IT用語事典

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2008年2月27日 (水)

責任を認めないメール会社

「昨晩から転送したメールがこなくなった」
そんな問合せがユーザーから相次いだ。
 **日の16時過ぎ、時を同じくして、すべての転送メールが届かなくなっていた。

 会社のアドレス宛に届くメールを携帯電話に転送している人が多い。
 メールに縛られてかわいそうな人生だと思うが、本人がそれを望んでいるのだから仕方がない。

 トラブルが起きた時、順を追って問題を切り分け、原因を絞り込む。
 複数のユーザーにインタビューしていくと、やがて、どこに原因があるのかが見えてくる。

 最初にメールサービスを委託している業者に確認した。
「うちのサーバーからは出ているんですが、●●さん(携帯電話会社名)が受け取ってくれないんですよ」
明快な答が返ってきた。

 今回、すべてのクレームに共通していたのはキャリア(携帯電話会社)
 通常のメールサービスに問題は発生していない。
 こういう場合、そのキャリアを疑うのが初動になる。

 そのキャリアのホームページを見た。
 何も書いていない・・

 キャリアのユーザー窓口に電話した。
 何も起きていないという。

 キャリアの営業担当者に問い合わせた。
「すぐ調べます」
という答えが返ってくるかと思ったら
「調べますから、該当の電話番号を一つください」

 しばらくして
「やっぱり、メールアドレス、サーバーIPアドレスもください」

 またしばらくして
「転送元のメールアドレスもください」
 最初のやりとりから、ここまでで1時間が過ぎた。

 初動が弱い会社だ。
 このようなやりとりがあると、その業者がクロであるという心証が深まる。

 ただ、ここで一つ慎重を期した。
 ユーザーへ情報を開示する「障害情報」のページでは、あえてその社名を伏せた。
 明らかにクロと思えても、まだその業者が「ごめんなさい」と認めたわけではない。

 原因究明は進まず、解決を見ないまま20時間が過ぎた。
 すると、その頃から「@niftyに転送したメールがこない」「■■(携帯電話会社名)もこない」といった、他キャリアの障害事例が出始めた。

 そして第一発見から24時間が過ぎた頃、メールサービス会社から「ごめんなさい」文書が出てきた。
 真っ先に「●●さんが受け取ってくれない」と言った、あの会社である。
 その日、行ったメンテナンスでミスがあり、すべての転送が止まっていたという。

 この会社は、その後、営業担当者がわびを言いにくることもない。
 恐らく、この会社の上司は部下が、ユーザーに迷惑をかけたことすら知らないのだろう。





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2008年2月22日 (金)

IE7はこなかった

 Microsoftは2月13日、日本のWindows XPユーザーを対象に、自動更新でInternet Explorer7の配布をおこなう。・・・はずだった。

 この 「IE7騒動」 は静かに日本のあちこちの企業で起きていたはずだ。

Ie7_annai3_2

 自動更新のダウンロードが終了した後、更新画面で「インストール」を選んだ次の画面で、このような画面が出る。 ・・・と、Microsoftのページには書いてある。

 アプリケーションの中には、IE7に対応していないものがある。
例を挙げるならば、SAP-ECC(製造元:ドイツのSAP)がそうだ。

 画面を遷移する時に、ウィンドウをポップアップさせるアプリケーションは、IE7では使えない。
 IE7は複数のウィンドウをウィンドウではなく、タブという単位で管理するためだ。
 IE6でも「ポップアップブロックが無効」の状態にしなければ使えない。

 IE7のようにタブで新しい画面を開くブラウザーを「タブ・ブラウザー」という。
 タブ・ブラウザーに対応していないアプリケーション(この言葉はシステムに置き換えてもよい)は多い。
 世界で一番売れているERPと自称しているSAP-ECCが対応していないのだから、推して知るべしだ。

 SAP-ECCなどのタブ・ブラウザー非対応アプリケーションを導入している企業の情報システム部門は、マイクロソフトが公開した情報を元に、IE7に備えていたはずだ。

 ユーザーは新しくて便利なものを使いたがる。
 Windows XP を勝手に WindowsVISTA に入れ替える人はいないが、IE6 を IE7に替えるのは、タダなんだから個人の自由だと思っている人が少なくない。

 タブ・ブラウザーへの対応は、基幹システム全般で数千万円規模のお金が必要だというのに、お客さん気分、いや王様気分で、とにかく新しくて便利なものはすべて我が輩によこせ!と言い張る人がいる。

 ど素人からある程度詳しい人まで、いろいろな人が集う「会社」では、なぜIE7を入れてはいけないのかを理詰めで説いておく必要がある。

 IE7を勝手に入れて「エラーが起きました」と言って他人に手間をとらせたら、即座にクビ!
と言える会社だったらいいのだが、なかなかそうはいかない。

 ユーザーは自分が勝手に入れておいて、何かエラーが起きれば
「IE7が勝手に入った」
「IE7が突然入った」
 と、切り札である "勝手に" "突然"を使い無罪を主張する。

 2月13日に予定されていたWindows Update の自動更新によるIE7ダウンロードでは、IE7が "勝手"に入ることも、"突然"はいることもない。

 ただし、事前に情報が与えられていないと
 「知らなかったから、自分は悪くない」
 「情報システム部門が説明責任を果たしていない」
と "聞いてないよ攻撃"に出る。

 各企業の情報システム部門は「2月13日になれば、このような画面が出ますから、この順番でボタンを押すのですよ」
 と赤子に諭すように事前周知をしていたはずだ。

 ところがである。その IE7はこなかった。
 Yahoo!やGoogleでニュース、ブログを検索すると「IE7がくる」という話ばかりで「IE7がこない」という話が出ていない。個人ユーザーがブログで「来た」と書いているのがわずかに見つかる程度だ。

 何かからくりがあるのか
 狐につままれた気分だ。
 マイクロソフトという会社はよくわからない。



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2008年1月19日 (土)

ITILとの向き合い方

----- Original Message -----
From: "サトウケイコ"
To: "スズキイチロウ"
Sent: Sunday, January 20, 2008 10:05 AM
Subject: Re: 通常受注についてのお願い

 届いた業務メールの中にこんな記述があった。
 サトウケイコは事業部門のユーザー
 スズキイチロウは問合せ窓口の社員

 ルールはこう決まっている。
 ユーザーが業務依頼をする場合「窓口」宛てにメールを出す。

 サトウケイコはそのルールに則らない。
 「窓口」宛てにお願いすると、却下されるようなケースをスズキイチロウ個人にねじ込んで来るというのではない。
 サトウケイコは文書管理とか、ITILとか、そういう形式にとらわれた業務フローを無視しているのだ。
 確かにその気持ちはよくわかる。

 ITILを入れたために、喧嘩が絶えず、家族的だった会社がお役所 兼 戦場と化してしまった会社が多いはずだ。

 イギリスはそれを「ベストプラクティス」と銘打って世界中にまき散らす。
 アメリカもその普及に血眼になる。

 ITIL命(いのち)の人々が何を狙っているか、まだわからない人がいる。
 部下もITIL病に感染しなければ、サラリーマンとしての地位を失ってしまうので、積極的に自らを洗脳する。

 だからITILは止(と)める人がいない。
 だからITILは止(や)めようという人がいない。

 ITILによって得られるものは大きい。
 仕事の効率がよくなり、ストレスが減ることも多い。
 自称職人には仕事を抱え込み、手の内を明かさなかいことで、居場所をキープしようとする人がいる。
 そういう人に、仕事の中身を無理矢理公開させるための外圧として、ITILは好適だ。

 ITILを学び、四の五の言わず一度やってみる。
 そこから、職場に合うものを残し、合わないものに無理に合わせようとしない。
 その姿勢が大切なのだ。

 件のサトウケイコのように、はなっから参加しないという人は、サラリーマンを辞めて、世界が自分中心に回る会社でも起業したほうがよい。





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2008年1月 5日 (土)

ITとICT

 今日はまず、質問します。
 あなたは ICT という言葉を知っていますか?

 さぁ、どうでしょう・・
 、そこの東京都の主婦の方、知らない?
 そうですか。
 大丈夫、あなたが普通です。

 【 あいしーてぃー 】 Information and Communication Technology
 情報通信処理技術

 なんだ、ITにCが入っただけじゃないの。
 また、どうでもいいような言葉を、暇な人がつくったのね?

 そう思ったあなたは正しい。その通りです。


 【 あいてぃー 】 Information Technology
 情報処理技術

 ITは 1999年冬から流行り始めた言葉。
 1990年代初頭に流行したSISとの違いは、LANが一般的なものになったこと、インターネットが登場し、これらを前提とした技術である点。
 EC(電子商取引)、Business Intelligence を実現するための技術の総称が IT。

 1999年冬、初対面のコンピュータ技術者同士が、話題の切り口を求めて
 「世の中、IT一色ですねぇ」
というように使っていた。
 2000年に就任した森総理大臣が「イット」と誤読、以後、正しく読めるようになってからは、これでもかとばかりに IT(アイティー)を連呼して流行らせた。
 「IT革命」は2000年の流行語大賞に選ばれた。
 表彰式で壇上にあがったのは当時18歳だった木下斉。この言葉を作ったのは彼ではないが、「この言葉のコンセプトに最も合っている」という理由で選ばれた。


 ITとICTは同意語。
 ITという言葉は、使われ始めた時点でインターネットを前提としており、通信の意味も含まれていた。
 「ICTのCは ユビキタス社会のコミュニケーションだ
と言い張る人がいるかも知れないが、ユビキタス社会なんてどこにもない。我々が住んでいるのは人間社会だ。

 2005年、総務省は「IT大綱」を「ICT大綱」に改名した。
 総務省は2007年には「ICTを環境にやさしく活用するために」というガイドラインを発表している。
 IT(ICT)と言えば経産省、環境といえば環境省の縄張り。
 総務省は「居場所づくり」「自分探し」に必至のようだ。


 2007年、一部のコンピューターシステム従事者が ICT を使い始めているが、一般のサラリーマンはほとんど使わない。
 ITとICT、どちらを使うかは個人の自由。
 もし「これからはICTだよ」と力む人がいたら「新しい言葉をよく知ってるねぇ」と暖かい声をかけてあげたい。

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2007年12月18日 (火)

社内SEの仕事とは?

 さて「社内SE」700万という値段だが、上場企業で年齢を40歳とした場合、決して高くはない。妥当な金額だ。

 実際の社内SEは、これに残業代を上乗せゲットして暮らしている。
 この広告が、"残業なし"と謳えるということは次の4つが考えられる。

1,大規模開発がない。
2,新規開発も少ない。
3,一般消費者を相手にしたミッションクリティカルなシステムの担当ではない。
4,クレームがほとんど発生しないシステムの担当である。

 PG=プログラマーはどんなコンピューターシステム
であっても、残業の要因がつきまとうが、社内SEで上の4つに当てはまらない場合、残業の必要はない。

 この広告は "残業無し" を謳っているわけだから、上記の4つに該当することになる。ではこの場合、社内SEはいったいどんな仕事をするのか。

1,ユーザー要求による、小規模システム改訂についての分析・定義・設計。
2,既存システムで起きたデータ不整合などの調査。

 この2つにしても、決して難易度が低いと言うことはない。
 ただし、
社内SEは楽なのだ。
 それは相手が身内だからである。

 社外SEでも最近は、どっちが客かわからないような横柄な人が増えたが、半数は超えない。
 社内SEには、そんな人が半分はいる。
 一見物腰はやわらかくても、言っていることは恫喝なのである。

 「それが仕様です」
 「事業部さんが、そう作るように言われました」

 社外の顧客に言えば喧嘩になるような言葉でも、社内のユーザーは二の句が継げず、自ら折れてしまう人が多い。

 そういう楽な仕事で残業なしで700万。
 これはかなりお徳だ。

1,今の会社で人間関係がうまくいっていない。
2,年収が500万以下である。
3,コンピューターは難しそうで自信がないが、人当たりの良さには定評がある。

 この3条件が揃う人はぜひ応募すると良いと思う。

 年収700万ということは夏・冬の賞与が100万ずつとして月給は500万。12で割ると41万。社会保険、税金などを源泉徴収されて手取りは月30万。

 住宅ローンを抱えている妻とこども2人の4人家族ならば、豊かでもなく苦しくもなくと言う収入。
 ただ、日本のサラリーマンの平均年収は400万円台。それからすれば社内SE700万は十二分においしいと言える。




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2007年12月17日 (月)

社内SE700万 残業なし

社内SE年収700万残業なし

 最近ミクシィで見かける、このバナー広告につっこんでみたい。

 この700万が年齢、資格、経験、配偶者・扶養家族の有無などの条件により、どう左右するのかについては、ここではつっこまない。

 まず「社内SE」という言葉の意味だが、社内の基幹系・情報系のコンピューターシステムを担当するSEということである。
 クライアント(ここではお金を負担する主体)は社内の部署。折衝をする相手はすべて同じ釜のメシを食う社員である。

 社内SEという言葉は企業の現場にはない。
 社外SEと言う言葉もない。
 そもそも、社内SEは「SE」と呼ばれることすらないし、SEだと思われていない。さらに言えば、ほとんどのサラリーマンはSEという言葉を使わない。

 「SEくらい知ってるよ」
 という人はたくさんいるが、SEとPGの違い。SEが実際にどどこからどこまでの業務の領域を担当するかを説明できる人はほとんどいないはずだ。

 社外SEはソフト開発会社、ベンダーSIerの社員で、よそ様のクライアント(顧客)からお金をいただく仕事をする。

 営業がとってきた契約の客先に常駐、あるいは定期的に訪問して売り込んだコンピューターシステムについてSE業務をおこなう。
 メーカーで言えば「商品開発」「もの作り」をする人に相当する。
 社外SEの仕事の品質が高ければ、顧客が満足する。
 顧客が満足するということは、クレームもないということで、手離れよくその現場を離れられる。
 また、その実績が営業にとってはセールストークとなり、他の顧客開拓につながっていく。

 ゆえに社外SEは高給取りだ。
 上場企業クラス、年齢40歳ならば1000万を下ることはあり得ないし、2000万を超える人が多いだろう。

 では「社内SE700万」はどうなのだろうか。

つづく

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2007年9月12日 (水)

押下

 【 おうか 】 キーを打つこと。
 辞典で「押下」をひくと「押して下げる」と書いてある。

 パソコンのキーボードを押すことを表現するとき、操作説明書で「押下」と書く。
 マウスボタンを「クリック」することと区別するための用語。

 実行ボタンを「押す」と書くと、画面上にある「実行」ボタンをマウスでクリックするのか、キーボードにある実行キーを指で押すのかを特定できない。

 「押下」はIT技術者が書く、操作マニュアルに使われる言葉。
 一般には全く使われないので、初めてこの言葉に接した人は戸惑う。

 漢字の読み書き、国語力にかなりの自信を持っている人でも、これは知らない。
 そういう人の中には、そんな言葉を使うなと怒り出す人もいる。

 ただ、IT技術者には、国語力のある人がほとんどいない。
 要求定義、プログラムの仕様にはこだわるが、ことばの定義にはこだわらない人が大半だ。

 「画面上の修正ボタンを押下する」
といった誤記をする人がいる。
 正しくは "画面上の修正ボタンをクリックする"だ。
 彫刻刀を持ってきて、液晶パネルを彫らない限り、画面に表示されたボタンを「押して」「下げる」ことはできない。

 ただでさえ、なじみのない言葉であるうえ、用法まで間違われると、ユーザーはとても混乱する。
 だが、ことばの違いを指摘されたIT技術者の八割は、必死に反論するだけで、何も変えようとしない。





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2007年8月14日 (火)

パソコンとコンピューターシステムはどちらが高等?

 会社で使っているコンピューター・システムはそれぞれに漢字辞書が違う。
 日本中のコンピューターが、まったく同じ電子的な漢字辞書を使っているわけではない。
 パソコンとインターネットが普及して以来、世の中のど素人!は、どのパソコンでも使える漢字は同じだと思っている。

 いま、目の前に見えているパソコン画面ひとつとっても、そこに映っているものは
1,パソコンのソフト
2,インターネット
3,会社内のコンピューターシステム
 と大きく3つに分かれる。
 もちろん、それぞれに使われている漢字辞書が違う。

 以下はある日のユーザーとコンピューターシステム担当者の会話である。

ユーザー
「漢字が出なかったから、IMEパッドで漢字を出して入力したら、何もしていないのに突然エラーになりました」

システム担当者
「システムの漢字辞書に存在しない漢字はエラーになります。
 登録できません。IMEパッドで引き当てても、エラーになります。
 このように、変換して出なかった漢字を、どのように登録するかについて、運用ルールを決められるとよいと思います。
 たとえば、氏名の場合は存在しない漢字は " ひらがな "で入れておくのはどうでしょう。平仮名で入っていれば、ユーザーが目で見て分かりやすいです。その漢字に近い漢字を入れておくと、そのことが誰にもわからなくなります。そしてDMを出した時に、お客様からの『漢字が違う』というクレームにつながります」

ユーザー
「そんなんじゃ全然意味がないですよ。
 名前は大切なんだから、漢字が出ないのは致命的だよ。
 だってパソコンでは出たものが、コンピューターシステムで出ないなんて変でしょ」

 ど素人!の頭の中では、パソコン<コンピューターシステムという図式ができている。パソコンは日用品だが、コンピューターシステムはプロがしっかりと設計して作っているのだから高等なはずだと。

 そういうユーザーは、こう考えてみるとよい。
 マイクロソフトという世界でも有数の利益を挙げている企業が全社をあげてつくっているソフトと、そこそこの利益しかあげていない一企業のコンピューターシステム部門が総力も上げずに作っているシステム。
 どちらが優れているか。

 有名私立中の入試に出したら、正解率99%は行きそうな簡単な問題だ。

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2007年5月29日 (火)

グループウェアを設計する人

 グループウェアを設計する人の素養として最も大切なのは、現場にいる人、現場にいた人であるということだ。

 新卒からずっとコンピューター・システム部門にいたという人は、電子手帳やアウトルックを自分用に使うことにかけては一流。
 しかし、アイデアがない。
 ものづくり、営業の現場にいた人でないと浮かばない利用方法。
 これは、管理部門にずっといた人には思い浮かばない。

 では、現場にいる人が設計すればよいかというと、これまたおかしなものができる。
 自分には便利だがお金がかかる。
 自分の部署では便利だが、他の部署では使えない。

 ここで全体を見渡した目が必要であり、SEとして分析できる目が必要となる。
 コンピューター・システムとしてのつくり、データベースの持ち方が整然としていることも必要だ。それで長い目で見たコストが安くなる。
 この部分の分析は残念ながら、ものづくり、営業だけをやってきた人には無理だ。

 できあがったグループウェアを見て、
「なぜ、ここにこのボタンがないの?」
「なぜ、3つも4つもウィンドウが開くの?」
 と、100人中90人が言うようなクレームが出ることがある。

 仕方ない。
 グループウェアを舐めているから、そういうことになる。

 グループウェアは基幹、情報系システムへの入り口。
 ここが心地よくなければ、ユーザーは寄り付かない。

 たかがグループウェアだが、そのたかがグループウェアさえ満足に設計できないSEのセンスは永久に信頼を得られない。

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2007年5月28日 (月)

グループウェア

 チームで仕事をする"グループ"の情報をコンピューター・ネットワークを使って一元管理するソフトウェア。
 スケジュール、会議室予約、会議への出欠、共有データベースなど。

 導入の目的
 社内電話帳、会議室予約、掲示板といった基本情報の共有。
 ワークフローまで導入して"意志決定のスピードアップに役立てる"などと言っている会社はろくな会社ではない。

 貴重な情報が個人のパソコンや悪名高い「共有フォルダー」に埋もれてしまうことを避けるためならば他に方法があり、グループウェアを入れる必要はない。
 1988年頃、グループウェアという言葉が生まれた。
 1989年にグループウェアの先駆け「ロータスノーツ」が発売される。
 国内最大ユーザーは東芝。
 1998年にはインターネット環境での代表的グループウェア「サイボウズ」が発売された。

 グループウェアはこういう人が画面設計をするとよい。

■グループウェアを5年以上使っている。
■システム手帳でスケジュール管理を1年以上したことがある。
■電子手帳、PDAを3年以上使ったことがある。
■アウトルックを1年以上使ったことがある。
■パソコンを使い始めて5年以上たっている。
■営業、制作、管理と複数の部署を経験している。
■SE歴3年以上
■プロジェクトマネジメントの基礎知識がある。

 5/29に続く

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2007年3月27日 (火)

SAPといえば・・

 さっぷと言えばボブ・サップ
 だがIT業界ではさっぷといえば、SAP

 【 えすえーぴー 】 コンピューターソフトの開発、販売をおこなうドイツの会社名。
 ソフトウェアでは世界最大手。
 「さっぷ」と呼ばれること多いが正式には「エスエーピー」
 社員に尋ねたところ"さっぷ"は愛称でもなんでもない。

1972年
SAP(ドイツ)設立。

1992年
10月、SAPジャパン設立。

2002年
10月、SAP製品の日本国内導入企業数が1,000社を突破。

2003年
2002年度日本国内CRM分野の売上シェアがシーベルを抜いて1位になったとする試算をある調査会社が発表。
シーベルは数字のトリックだと反論。
SAPはカンファレンスや営業活動で「1位を獲得した」とさらっと言っている。

2004年
ESAへの取り組みを始める。
7月、R3を改訂、SAPECC出荷開始

2005年
ESRをリリース。

参考文献
「SAP完全解説2005」日経BP 2005年1月

 SAPはERPソフトとしては世界一売れている。
 今からでも遅くない。
 ある程度歴史のある企業では、導入を思いとどまることを勧めたい。
 それが一番のコストダウンになる。

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2007年1月26日 (金)

情報システム部と営業がやるべきこと

 システム部門と営業部門は仲が悪い。
 だが、お互いを攻撃する前にそれぞれが最低限やらなければいけないことがある。

■情報システム部側
 ユーザー要求の実現、納期に間に合わせることに最大限知恵をしぼる。

■営業
 事業計画を100%達成する。(計画比と前年比とも)

 情報システム部は、"制作が作った商品を営業が売り上げてできた利益にぶら下がっている部署である" という立場を忘れてはならない。

 営業は "営業は計画を100%達成する" という立場を忘れてはならない。

 「営業に専念できるよう、すべてを完璧に用意するのがシステムの仕事だろう」
 「管理部門は徹夜してでもやれ。数字1つ違ったら、全然意味がない」
と言ってもよい営業社員は、会社と約束した数字を100%達成した人だけである。
 得てして、数字の悪い社員のほうが、文句が多い。

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2007年1月23日 (火)

困ったSE

 そこらじゅうにいる、困ったSE(システムエンジニア)とは。

■日本語が書けない。

■かっこいい机上の論理に酔う。
■世の中の常識、現実論を認めない。

■責任を逃れることを最優先する。
■ふたことめには「懸念されるのは」「心配なのは」という。

■世の中の常識、現実論を認めない。

■相手にわかりにくいように専門用語や俗称、通称を多用する。
■それがわからないと露骨にバカにする。

■最新の技術に背を向ける。
■他のSEの提案にはレアケースをぶつけて責める。

 企業内情報システム部に多い困ったSE

■仕事が増えぬよう、うまくユーザーを脅す。
■自分が責められると「まだユーザ要求が決まっていない」と逃げる。
■1万分の1のレアケースの対応が仕事だと思っている。
■ユーザーがどのように使うかは関心がない。
■論理を正当化するために、作り話をする。

■SE関連の面白い本
SEの持つべき「思想」―できるSEは何を考え、どう動いているのか

 彼らは、プログラムと仕様書が書ければ、日本語は書けなくてもよいと思っているのではない。
 自分が「日本語を書けていない」ことに気づいていないのだ。
 仕様書の抜けさえなければ、すべての文章から主語が抜けていることは、全く問題ではないのである。

 派遣元の企業の皆さん、採用時に国語の試験を頼みます。

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2006年12月28日 (木)

電子化が失敗した日2

 会議室の電子予約が始まった。
 電話やメールで会議が決まる。席に居ながらにして、会議室の空き状況を確認できて、予約ができる。
 こんな便利なことはない。
 合理的、効率的 いくつでも肯定の形容詞が浮かびそうだ。
 そこには、否定の形容詞は影も形もない。。

 と思っていたら甘かった。

 グループウェアを使っていない、おじさんやおばさんからは、どんよりとしたブーイングが鈴木課長の耳に届いていた。

★なんてことをしてくれたんだ。
 パソコンを開けないと会議室の予約ができないじゃないか・・

 いつも開いている、目の前のそれは、いったい何なのだろう?

★会議をしていて、次の日程を決める時に、空き状況がわからないよ。

 これは、一理ある。
 当時、会議ではプロジェクターを使わないことも多く、増してや、今のように沢山の人がマイパソコンを持ち込んで、内職をするということもなかった。
 皆が手帳を持ってきて、紙が配られる会議。
 次回の会議予定を決める時は、誰かが外に走り、入り口に貼ってある予定表を見に行く。
「2月19日、ここ、空いてました!」
 まるで、マラトンからギリシアまでを駆け抜け、勝利を報告した勇者のようだ。

 およそ、一ヶ月
 ついに再び紙が貼り出された。

 それから、5年の歳月が流れ、今は誰も電子予約を不思議だと思っていない。

「便利だから、絶対いい」
 という無鉄砲な言い分では、うまくいかないことがある。
 節度をもち、状況をよく把握して、それに合った改善をしていく。
 日本はゆるやかで、一歩一歩の改善が似合う国だ。

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2006年12月26日 (火)

電子化が失敗した日

 その部署では会議室の予約をする時は、会議室の前に貼ってある予約表に書き込むようになっていた。
 予約表は3か月先のものまでが貼ってあり、その月が終わると、事務員が新しい1か月分の紙を貼り出す。

 PDAでスケジュールを管理し始めて15年という佐藤さんは、以前からこれを不便に感じていた。

■3か月以上先の会議が決まっても会議室を確保することができない。

■会議室の前まで行かないと、予約や確認ができない。

 そこで、佐藤さんは上司の鈴木課長に、こう提案する。
「グループウェアにあるスケジュール帳で、会議室予約をやりませんか?」

 すると、鈴木課長も同じ不満を抱えていたということがわかり、意気投合する。
 佐藤さんは灯台下暗し、なにごとも口に出してみるものだ。と思った。

 だが、鈴木課長には心配もあった。
「でもねぇ、そういうこと思ってるのって僕と佐藤さんだけなんだよねぇ」
 結局、グループウェアの利用は即決には至らなかった。

 そんな話しも忘れていた3か月後のある日、鈴木課長の鶴の一声で会議室予約がグループウェアで行われることになった。

 グループウェアにはまずIDとパスワードでログインしなければならない。
 一度ログインした後も、30分以上アクセスがないと強制的にログアウトされてしまう。時間切れになると、再度IDとパスワードが必要だ。
 元々、この部署はグループウェアを誰も使っていなかった。
 人々が言う使わない理由は「認証が面倒だよ」だった。

 電子会議室では、過去に幾度か盛り上がりをみせたスレッドもあったが、1週間もすれば、すぐまた長期の冬眠にはいる。
 これは、恐らくイントラネットを持つ大半の企業に共通していることだろう。だが、佐藤さんはこんなことはウチの会社だけに違いないと嘆いていた。

 そんな状況で、突然始まった「会議室の電子予約」
 自分のパソコンで、会議室の状況がわかるのは快適である。
 だが、そんな快適な日々は長く続かなかった。

12月28日につづく

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2006年10月 5日 (木)

ISO?ベストプラクティス?

 IT業界人がITIL(あいてぃる)について話すとき、彼らは必ず "ベストプラクティス" という言葉を使う。
 これは「勝ち組、負け組み」と同じくらい嫌な言葉で、もし相手が親戚だったら説教したくなる。
 何が嫌かというと、自分が努力して積み上げたことでもなければ、その目で現場を見たことわけでもない。それを、さも見てきたようにワンフレーズで片付けてしまう尊大さ。虫ずが走る。

 自分で知恵を出して試行錯誤し、数々の失敗を経てようやく仕事の形ができた。そうして汗を流した人は、自分の努力の記録を「ベストプラクティス」と言いはしない。

 そういう他人の努力をまとめて "いただく"のであれば「好事例を体系化して、システム化しました」という程度の堅実な表現が似つかわしい。

 それをITベンダーの営業マンは「間違いないです。ベストプラクティスですから」と涼しい顔で言い放つ。たかが好事例に過ぎないのに、それがすべての会社に当てはまるという認識は誤解だ。 ただし、その営業マンはベストプラクティス病にかかっているので、自分の誤りに気づかない。

 ITILの認定資格である ISO20000 は 資格と規格が大好きな日本人に受け入れられるだろう。

 営業の立場から言って「あいてぃる」では押しが弱い。
 「また、売りつけようと思って難儀な欧米のものを持ち込んで・・」という目で見られるのが関の山だ。
 だが、ISOは違う。ISOは有名だ。
 日本人ならばJISにもっと畏怖を抱いて欲しいが、実際にISOは説明要らずで受け入れられる。
 なぜか、皆「はは~っ あいえすおー様 」と畏れている。

 IT利用による業務改善への興味もセンスもないが、権威に弱いヒラ社員。
 カネは使いたくないが、外圧に弱い管理職。 こういう人種には ISO の名前でプレッシャーがかけられる。

 IBMはITIL創成期より、これに深く関与している。
 IBMのコンサルが入ってくると ITIL を強く薦める。
 だが、薦めている方も、薦められた方も、ITILの話をしている時は、お役人みたいな難しい顔になり、活き活きとしなくなる。笑顔が消える。

 日本人は法治と人治の中間スタンスをとる民族。
 元々、契約、条文で縛りあう風土がないのだ。

 ITIL、ISOを推進して、自分の会社はハッピーなのか? 導入によって、誰が得をしているのかを 一度立ち止まって考えるとよいだろう。

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2006年10月 3日 (火)

ITIL

 【 あいてぃる 】 IT Infrastracture Library
 コンピューター・システム運用の好事例集。

 英国商務局がまとめたコンピューター・システム運用の模範的なガイドライン。「サービスサポート」「サービスデリバリー」の2冊を核とする7冊にまとめられている。初版1989年。

 英国ではBS15000として規格化されていて、2005年には ISO20000として国際規格として発行された。

 ITILは以下のそれぞれの立場について規定している。
顧客 =クライアント
ユーザー =エンドユーザー
マネージャー 各部門責任者
サービスプロバイダー 開発部署
サービスサプライヤー 運用部署

 ITILの7冊
サービスサポート(通称 青本)
サービスデリバリー(通称 赤本)
セキュリティ管理
ビジネス展望
ICTインフラストラクチャ管理
アプリケーション管理
サービス管理の導入計画立案(通称 緑本)

 ITILの解説本を読むよりも、ITIL の青本、赤本、緑本を読んだほうがわかりやすい。それが理解への最短距離。

 もしあなたがIT業界人の知り合いに 「ITILってなに?」
 と尋ねたら、九分九厘次の答えが返ってくるだろう。

「ITIL? そりゃ、ベストプラクティスの教科書だよ!」

5日につづく

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2006年9月 1日 (金)

頭が悪いのか、いいのか・・

 ある日、目の前に CMDBという単語が現れた。

 その資料には、次のような説明がついている。

 個々の構成要素あらゆる関連する詳細情報、および構成要素間の重要な関連性の詳細情報を含むDB

 これを書いた人は、きっといい大学を出た、頭のいい人なのだろう。

 これでは、さっぱり わからない。
 まずは、ことばの定義を把握しよう。

 ブックマークしているIT用語集をすべて見て回る。
載っていない。

 次は Yahoo!と Google
ヒットはしたものの、次のような説明しかない。

 CMDB=構成管理DB

 ITILにおいては重要です・・ インシデント管理が云々・・ とその効用を、たらたら書いた文献はたくさんある。
 だが、「構成管理DBとは、○○のことです」と書いたものがない。

 探しているのは、たとえば、こんな説明
 「構成管理DB コンピューターシステムのソフトウェアどうしの関連性を収録したデータベース。そこから相互のソフトウェアの関連性をみる」(この説明はダミーです)

 そこで、しらべる的に まとめることにする。
 いったい、構成とは何と何の "構成" のことを言っているのか。
 構成を登録しておくことで、何がわかるのか。
 どういうケースで、その威力を発揮するDBなのか。

 その ものごと が、何者かがわかる (ことばの定義 完了)
   ↓  ↓
 それは、どのような経緯で登場したのか?
 それは、役に立つものなのか?
 値段はいくらなのか?
 何処で買えるのか?

 人の対象となる物事への興味は、ことばの定義ができて初めて、その次の段階に進んで行く。
 と思いたい・・



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2006年8月25日 (金)

問題ありませんか?

この仕様で問題ありませんか?

この法律で問題ありませんか?

僕の存在に問題ありませんか?

 「問題ありませんか?」は何かを請け負う側の人間が、それを依頼・預託する人間に確認する時に使われる。

 本来ならば、会話の流れはこうだ。

受託側 「これでよいですか?」
依頼側 「いいと思うんだけど、なにか問題あるかな?」
  ↓      ↓
受託側 「いいえ、検討したところ、問題はないと思います」
依頼側 「それならばいいよ」

 ところが、受託側がいきなり「問題ありませんか?」を口に出すと・・

受託側 「これで問題ありませんか?」
依頼側 「問題あるかないかまでは、よくわからないよ」
  ↓      ↓
受託側 「あなたが依頼者なんですよ」
依頼側 「なにが想定されるかを分析するのが専門家の仕事だろう」

 売り言葉に買い言葉
 これでは、良好な人間関係は築けない。
 だが、プログラムの勉強だけしてきた若者は、毎日これをやる。

 「問題ありませんか」は守られた立場にいる受託者が口にする。
 ・企業の情報システム部門
 ・長年にわたり常駐している派遣社員

 少々、手を抜いて準備や説明を省いても、仕事や立場を失うことはないと、高を括っている横着者たち。
 競合があり、いつ替えられるかもわからない業者ならば、いきなり「問題ありませんか」は言いにくい。

「いかがでしょうか」と
「問題ありませんか」では
ことばの持つ性格が大きく違うのである。

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2006年8月21日 (月)

「システムの事はわからないよ」

 コンピューター・システムの改訂依頼をするユーザーの中に、
これを言う人が多い。

 これは言い換えると、自分の仕事がわからないということ

 コンピューター・システムは「システムちゃん」というヒトが
コンピューターの中に潜っていて、勝手にプログラムを書いたわけ
ではない。

 長年、動いているコンピューター・システムは
「作った時にいた人」と
「今担当している人」が
違う人になってしまう。

 だが、すべてのコンピューター・システムはかつて、制作依頼を
したユーザーが
「こういう場合は、こういう処理をして」
「このデータは営業会計に渡さないで処理して」
と一つ一つ要求定義して、SEに渡したのである。

 「システムの事はわからない」を言う人の論理はこうなっている。

長い年月、運用されている業務は、自分が担当する前から動いて
いたので、仕組みは知らない。
   ↓
仕事がうまく回っていれば問題ない。
   ↓
うまく回るよう、システムの人が頑張ればよい。
   ↓
うまく回らないのは、システムの責任だ。

 このように、自分の仕事の仕組みを知ろうとせず、まる投げする
社員はたくさん実在する。

 それでも、姿勢が謙虚ならば、人として接していられるが、
「システム担当者の仕事だ、僕は知らない」
と突っぱねる人は、もう人とは思えない。

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2006年8月18日 (金)

言葉とプログラムの壁

 僕はことばで定義することにこだわる。

 自分のことばで定義して理解しないと前へ進めない。

 とても苦手なのは、コンピューター技術者が講師を務める実習

 わかる、わからないではなく、わかっている人(講師、一部の受講者)のペースで実習が進んでいく。
 それに対して全員が着いていけなければ
「もう少しゆっくりお願いします」
 という空気になるだろうが、実際にはそうはならない。

 若い技術者たちは、頭で理解しなくても感覚的にすいすい着いて行く。

 僕は一つ一つの言葉の意味、ロジックの意味がわからないと次へ進めない。
 こういう場面ですいすい着いていく人と僕とでは思考パターンが違うのだ。
 人によっては僕のことを「頭でっかち」「頭の回転が悪い」と言うかも知れない。

 すいすい着いていく人はたいてい30台前半までのプログラマー。
理解のスピードが速いから頭がいいんだろうなぁ、自分はダメだなぁ
と悲観する。

 だが、こういうプログラマーは日本語が書けない。

 メールで「ユーザーにココを確認してください」ということを書
いてくるのだが、会話言葉をそのまま文章にしているだけで、意図
がみえない。

 こういう人に提案書をまとめさせると何も書けない。
 こういう人に図を書かせるとひどい図ができる。(図を書くこと
を拒否することもある)

 つまり、ことばの領域になると「ザ・冗長」なのである。
 意味不明なのに、やたらと長い。

 ことばの世界とプログラムの世界には一枚の壁があるようだ。

 「言葉とプログラムの壁」
 しらべるでは、こう命名する。

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2006年5月 5日 (金)

勘定奉行に任せるのは

 現代のテレビっ子の皆さんで、この名前を知らない人はいないだろう。

 歌舞伎役者?が「おまかせあれ~」と見栄を切るテレビCMでお馴染み
「勘定奉行」は企業の会計業務をおこなう財務会計システム。

 大まかに分けて次の3種類が出ている。
スタンドアロン
LAN対応版(ブロードバンド対応と謳っている)
LAN対応のうえカスタマイズ可能版(ERPと謳っている)

 テレビっ子が多いので、IT技術者の間でも当然、知名度が高い。
 売上規模が小さい案件に対して、高額のコンピューター・システムを作るのは惜しい・・
 そんな時、出来合いのソフトでお茶を濁す候補として真っ先に名前が挙がる。
 ただ、それは名前を挙げるだけで、あとは知らないよという意味でもある。

 
ユーザーの中には、未だに「エクセルは2万円なのに、エクセルに毛の生えたようなこのシステムが、なぜ20万円なのか」といったわけの分らないことを言う人がいる。

 辞書と参考書を一式買ってきて 「私には東京大学に入る権利がある」と主張しているようなものだ。

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2006年4月14日 (金)

レガシーの意味を知らない人

 【 legacy system 】 既存システム。古いシステム。

 「重厚長大、古くて高いシステム」をオブラートに包んだ言葉。あまりに語感がかっこいいので、時々新しいシステムのことだと勘違いしている人もいる。
 「レガシーに取り組んでいる」という言い回しは愚の骨頂。

 新たに導入しようとするパッケージ・ソフトウェアに対して既存
システムのことをこう呼ぶ。

 この言葉はベンダーの営業が、既存の基幹システム=ホストという意味で使う。
「おたくの古くさいホストは早くお払い箱にしなさい」
とは言えないので、
「御社のレガシーの見直しを」
と言えば、なんとなく角が立たなくてかっこいいと思っているらしい。

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2006年4月11日 (火)

人事部のコンピューターシステム

 人事部が提供するコンピューター・システムには誰も文句が言えない。
 特に、人事部が設計し、制作を社外に依頼したシステムはユーザーの常識がまったく反映されてなくて、信じられないとんでもない動きをする。

 企業の情報システム部がつくるシステムに対して、ユーザーは直接文句をいうことができる。だが人事部が設計・制作して提供している人事システムには社員は文句を言えない。

 それは以下の理由による。
ヒマなのではないかと思われそう。
心証を害して、人事待遇が不利になるかも知れない。
初めに説明を受けているのかも知れないが記憶に自信がないので、我慢して使う。
システムのことがよくわかっていない人事部の担当者は、文句をいったところで改善する気はさらさらなく 「いやぁすみません僕の力不足で」とか慇懃に受け流すだけで相手にしない。

 このような人事システムにより社員は、忍耐力を身に付けたうえで、
「会社とは限られた予算の中で、与えられた環境で自らが最大限の努力をする場なのだ」
という認識を再確認できる。

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2006年3月28日 (火)

インターフェース

 インターフェースという言葉が世の中に出てきて10年ほどだろうか。
 初めて聞いたのは、大手家電メーカーのテレビCM。
 「人と機械の間にウチの会社が入りますよ」という意思表示だったと思う。

interface
 ハードウェアやソフトウェアを相互に接続するための装置・規約・プログラム。
 複数のシステムでデータをやりとりする部分の仕組み全般。
 インターフェースとは「境界」を意味する。

【 使用例 】
ホストコンピュータークライアントサーバーでデータをやりとりする場合に、IT技術者どうしで
「インターフェースはどうしようか?」
というように使う。

 この時、この短い言葉の中には以下の意味が含まれている。
 「データのファイルレイアウト、個々のデータ項目の定義、個々のコード定義、データをどういう頻度、タイミングで受け渡すか、受渡し後の処理はどうしようか、それぞれのシステム担当者の役割分担・・はどうしようか」

 だが、それを全て自分がコミットして仕切ろうと思っている人ではなく、面倒くさいことはコンピューター・システム部署に任せよう、すべてプログラマーに任せよう、と内心思っている人が、したり顔で
「インターフェースはどうしようか?」
を言う。

ユーザーがコンピューターを使う時の入口になるマウスやキーボードのことをユーザーインターフェースとかマンマシンインターフェースと言う。
データ入力画面のことをインターフェースと言う人も多い。
IT業界人のなかにはインターフェースを I/F と表記する人がいる。

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2006年2月11日 (土)

ベンチャーは今年なくなる

 しらべるでは「ベンチャー」をこう定義している。
 新興の業態を展開する小さな会社

 2000年代に入り、日本では育つ必要があるべきものとして好意的に取り扱われてきた。
 20代の失業率は特に高く、新卒の学生に十分な正社員の職場が与えられない。そんな背景で、これからはサラリーマンなんかやったってしょうがないぞ、裸一貫自分で会社を興せ!ということなのだろうが、サラリーマンの新聞記者やテレビ局のアナウンサーに言われても今ひとつ説得力がない。

 新興の業態と言っても、そんなにネタが転がっているわけではないので、多くの起業家が飛びついたのが「ネット企業」
 金融、投資、物品の販売 過去に数千年も人々がやってきたことを、インターネットに置き換えるというだけの、早いもの勝ち戦。やっていることは古いのでこれはベンチャーではない。

 CDやAIBOを開発した
天外伺朗は2002年の著書「深美意識の時代へ」183ページでこう語っている。
(以下引用)
 日本でベンチャー企業が育たないひとつの理由は、成熟した社会に近づいているため、欲の皮がつっぱった人が少ないということも考えられる。それを、欲望をあおってエゴを暴走させる人を増やそうとするのは、まさに時代に逆行する政策だと思う。
(引用おわり)

 もう、早いもの勝ち戦の決着はついた。早かった人=勝ち組を名乗っている。
 これからまた、企業のなかで地に足をつけ、モノとサービスの技術を高める時代となり、2007年に入る頃には「ベンチャー」は死語になっているだろう。

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2006年2月 8日 (水)

ITIL

 ITILについてしらべるでは、こう定義している。
 コンピューター・システム運用の好事例集

 ただ、ITILが役に立つ会社はとても限られていて、現実的に定義するならば、こうなる。

「本気で改革する気がないか、改革したいのだがセンスがない人が使う責任回避ツール」

 ITILには、理想の答え(
ベストプラクティスという)がたくさん並んでいる。実践されたことに基づいているので、一つ一つがもっともで、なるほどと唸ることが多い。頭のいい人が力を合わせて作っているので、寸分の隙もない。
 ITILを導入する管理者は恐らく、自分の組織にはITILに書いてあるような基本ルールが欠けているのだと考えるのだろう。
 だが、そんなルールが欠けている組織の皆さんが、ITILのような大上段に構えた文書に素直に従うわけがない。文言をみて「なるほどなぁ」と思っても、実際、それは他人が改善するのだろうと思うだけで、自分が今日から何をするかを想像できる人は少ないだろう。

 プロジェクトを進めるのに必要なのは、優秀な
PMではない。
 プロジェクトを通して皆が幸せな気持ちになるために、エモーショナル・レスキュー・マネージャーが必要なのである。

 しらべるは、インターネット上で何かを調べたい人にとってのエモーショナル・レスキュー・アシスタントになれたらいいなと思って毎日書いている。

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2006年2月 6日 (月)

可能ですか?

 「できますか?」という意味でIT技術者が使う言い回し。

「あなたの会社(部門)にその設備はありますか?」
「あなたの会社にその技能を持った
プログラマーがいますか?」
「あなたに、これをやる気がありますか?」
といった趣旨を一括して尋ねる常套句。
 横着かつ日本語の使い方が稚拙な
SEやプログラマーが使う。

【 例 】
・データを
CD-Rで納品していただくことは可能ですか?
・伝票に項目を追加することは可能ですか?

 あなたにその能力はあるか?そして、それをやる気があるか?を一度に尋ねることができるので、尋ねる側は手っ取り早いが、言われた方は重苦しい。クライアント側(お金を出す側)が言うならまだわかるが、
SIerからクライアント、プログラマーからSEに向けても使われる。こう言われると他に頼みたくなる。

 2005年に入ってからは、どの商売でも使われるようになった。
 「あと200円追加していただくとコーヒーとデザートがついたセットにすることが可能ですが・・」
 コーヒーとデザートも欲しいでしょ。あなたに200円をさらに支払う財力がありますか?

 どんな場面でも「可能ですか?」は言われると心拍数が上がる。

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2005年12月26日 (月)

SEの国語力

【 例文 】
利用者と支払者の会員区分が一致していなくても、照会・修正が可能になるように修正する。ただし、該当する利用者と支払者の会員区分については必ず全て修正する必要はある。

 上の文章は、あるSEがプログラマーに当てて書いた文章である。この文章で、あなたはこのSEが何を言いたいのか、意図を汲み取れただろうか?

 例文は次のことを伝えようとしているのである。
現在は「利用者と支払者は同じ会員区分である」という定義のロジックがプログラムに入っている。
ゆえに「利用者と支払者の会員区分が違う」データを入れることはできない。
しかし、今回はそのようなデータを入れる必要が発生した(定義の変更)。
よって、そのプログラムを改訂する。

 そして、改訂をすると・・・
これまでユーザーは「利用者」「支払者」のどちらか一方の会員区分を登録、修正すればよかった。
プログラム改訂後は、ユーザーは「利用者」「支払者」個々に会員区分を登録、修正しなければならなくなる。

 このように国語力が弱いSE、プログラマーの書く文章は
「自分がわかっていることは省略する」
「主語が抜けている」
「専門用語が使われていて、単語の意味がわからない」
 というものが多い。
 また、国語力が弱い人ほど、箇条書きにせず「文章」にしようとする傾向がある。業務文書は相手を酔わせることが目的ではなく、内容を伝えることが目的なので箇条書きの方がよいのである。

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2005年12月14日 (水)

知ったかぶりのカーミット

 カーミットは「セサミストリート」のキャラクター
 子供の頃、この番組を愛好していたお陰なのか英語はあまり苦にならない。

 ある時、業務で新たに取り入れる J2EE についてまとめていた。
 およその意味は固まった

 【 じぇいつーいーいー 】 Java 2 Enterprise Edition
 Java2、サーバー用のAPIJSPなど、サーバーを中心としたコンピューターシステムの構築に必要な機能。

 ところで、この「機能」ってなんだ?概念か、ソフトなのか・・
 インターネットで調べても、いま一つ要領を得ない。そこで、同僚の技術者に聞いて回った。

 すると、ソフト・・じゃないでしょ~ でもファイルといえばファイル・・
 だから、どうしたいんですか?
 と質問に質問を返されてしまう。

 このように、およそ知っていることでも、ことばで定義できる人はとても少ない。
 あるいは、見たこともないのに知識として知っているだけで全てを掌握した気になっている。いわゆる"知ったかぶり"である。子どもの頃、知ったかぶりといえばカーミットだけかと思っていたが、こういう人が技術者には大変多い。

 あ、すいません。わからないです。と言えば済むことだ。
 J2EEを正確に解説できなくても、その人の価値が損なわれるわけではない。技術者には「我々は技術的には完璧です」という虚勢を張って生きている人が多いように思う。

 SEの僕に対して知ったかぶって見せるくらいだから、コンピューターにど素人のユーザーから質問を受けた時には、ひっくり返りそうなくらいにふんぞり返って カーミットぶりを発揮しているのだろう。


 
だから技術者は嫌われるのだ。

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2005年10月15日 (土)

SEは不要になる

 村上龍がエッセイ「ハバナ・モード」で次のように書いている。

(以下引用)
コンピューターシステムのシステムエンジニアは、特別に才能がある一部のプロを除いて、あと10年もすれば不要になる。あらゆるプログラミングは一巡して完了するし、インドなどの安い労働力がさらに台頭してくるからだ。
(引用おわり)


 SEをやっている人間として、これに同意する。
 コンピューターシステムは企業内情報システム部の手作りの時代が終わりへ向かい始めている。
 大手ソフト会社のパッケージソフトを購入し、それに自分の会社を合わせる時代が始まったのだ。
 中小企業は初めから自作コンピューターシステムなんて組むお金はないので元からそうである。

 これまで自らの会社のノウハウ(コアコンピタンス)を外に出すわけが行かないと自前の組織を抱え、自分達の業務は独特なものだ!と勘違いして、オリジナルのシステムを組んで来た人たちが、その齟齬に気づき始め、もうこのまま改訂し続けることは蟻地獄にはまることだと危機感を抱いていた。
 そこに、ベストプラクティスという錦の御旗で外資系のベンダーが攻勢をかけているのだ。

 パッケージソフトはドイツの大手ソフト会社データベースは米国の会社、OSは米国とフィンランド、サーバーは米国。
 さらにパッケージソフトを導入する人材も居ないから、コンサルという米国の会社に勤める礼儀知らずの日本人達が乗り込んでくる。

 村上龍が言う「一部のプロ」の大半はこのコンサルということになる。
 僕が大嫌いな「勝ち組」という言葉は彼らのためにあるのだろう。

 小泉政権以降の日本政府は科学技術については正しい舵取りをしたが、自前のIT産業造りはやろうとしていない。誰かに遠慮しているのだろうか。

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2005年10月 5日 (水)

ITベンダー語

 SEにはみんなの言葉を使うSEと、自分の言葉を使うSEがいる。

 みんなの言葉とは・・
 プロジェクト仲間の前であれば、プロジェクトで定義された用語。データの正式名称。
 ど素人のユーザーやお客さんの前では、専門用語を一般の言葉に置き換えたことば。

 自分の言葉とは・・
 自分が好んで使うIT用語。一部の業界人しかわからない専門用語。

 自分の言葉を使う人は始末に終えない。

 ITベンダー社員は、本当にこんな風に話す。

「フロントからバックオフィスまでが一丸となってワントランザクションごとのTCOをオーダーのステータスごとにシミュレートすることで業務プロセスを可視化してナレッジベースでシェアフォルダマネジメントする必要があります。
グローバルではこれは最もオーソライズされたコンセプトになっています。
 コモディティについてサプライヤーをはじめパートナー企業とサプライチェーンコラボレートしアライアンスすること、従来のERPに加えCRMSFAと連動したセキュアなポータルウェブサイトを構築しCTIIVRを導入したコンタクトセンターとのシナジーでCSにフォーカスすることがBtoBに限らずB2Cでも勝ち組となるランドマークです。
 インテグレーションを考慮したベストプラクティスへの取り組みは、ASPアウトソーシングを視野に入れたうえで、レガシーとのインターフェース、コンポーネント、問題のグレード、セグメンテーションの見直しから始まります。
 ●●●スィートワールドワイドなサポート、カスタマイズについてのベストプラクティスのコンサルで、レガシーとシームレスベストエフォートワンストップソリューションロードマップクライアントにご提案します。

 正月に里帰りしたら、親戚の前でもこの言葉で話してもらいたい。きっと親戚から縁を切られるだろう。

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