2017年3月21日 (火)

東京マラソン エイド混雑のタイムロスは合計1分

9km過ぎ
10kmに到達する前に、少し早いが2つめのジェル。
それが胃に落ち着いた頃、つづいて1つめの「WINZONE」を流し込む。

今期初めて使うクエン酸顆粒「WINZONE」
マラソンに向けた練習の際、走り始める前に摂ったところ、終盤まで粘れる感覚があった。
この際、本当でもプラセボ効果でもかまわない。
快心のレースにするためには、何だってするのだ。

WINZONEはスタート20分前に1包。
レース中は10、20、30kmで1包ずつの計画だ。
標準的な用量は1日1包となっているが、1日で42.195kmという過酷な状況ならば、少々多めに摂っても大丈夫だろう。
終わってみればその答えが出る。
これは実験であり、成功すればメソッドになる。



10kmレースのゴールが右側レーン、マラソンは左側レーンと別れを告げる。
新コースはひとまずここまで。ここからは一旦旧コースに戻る。
そして、2009年に走った時、最も苦しかったのがここだ。
ここから浅草寺までの5kmは、これといったランドマークがない。
ちょうどハンガーノックを起こしていたこともあり、雷門はいったいどんだけ遠いのだと途方に暮れた。

「次の**まで頑張ろう」
マラソンは、こうした目先の目標をつないで走る。
これがないレースはきつい。

ということは「板橋Cityマラソン」や「湘南国産マラソン」のような、単調な道を行って来い折り返しコースというのは、なかなか大変だということだ。
東京マラソンの魅力のひとつは、目標となるお楽しみポイントが数キロ毎に訪れることだ。



10.5km 第三給水所
手元のゼリーがなくなったので、ここで初めてエイドに寄る。
目指すはスポーツドリンク。
だが、まだまだ混んでいて、ランナーの人垣でテーブルが見えない。
このままでは、スポーツドリンクのテーブルが終わりそうになったので、走りながら取ることを諦め、歩いてテーブルに並ぶ。


5kmのラップから10kmまでは、安定したペースを刻んでいたが、11kmのラップは28秒遅かった。

今回のレースでは、エイドの混雑により大きくタイムロスしたと思われるのは3カ所。
その合計タイムは1分ほどだった。

たかが1分、されど1分。
特に5時間切り、サブ4といった節目のタイムや自己ベストぎりぎりの場合、泣くに泣けない。

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2017年3月18日 (土)

マラソンを走りながら、ランナーは何を考えているのか?

僕は今、第11回東京マラソンのコース上を走っている。
マラソンを走っている時、ランナーはいったい何を考えているのか?

マラソンを走ったことがない人には想像がつかないだろうし、経験者でも克明に覚えている人はいないだろう。
42.195km、4時間、5時間といった長時間、延々とただ走るという同じことを続ける体験はそうはない。

概ねどういうことを考えているのかというと・・・


前を走っている女性がウィンドブレーカーを羽織っている。
寒いのは苦手なのかな、初マラソンで勝手がわからないのかな。
あるいはベテランで、気温が上がらないと読んだのかな。
邪魔だと思うけどな


今どれくらいのペースかな
(時計を見る前に予想して7分ちょうどくらい?)
お、6分50秒か。思ったより速いな
という時もあれば、けっこう速いつもりだったのに、手元では30秒くらい遅い時もある。
コースがカーブしていたから、GPSの誤差なのかな


ヘッドホンから流れてきた音楽
Charの「A Fair Wind」はいいな
いつも(セットリストに)入れてくるけど、これはずっと入れよう

ちなみに83曲のセットリストのうち、こうした何らかの感想を抱く曲は少ない。
大半の曲は流れていても聞こえていない。
こうして何らかの感情を想起させる音楽は、マラソンレース向きと言える。


さっきから(歩道寄りではなく)センターライン寄りを走っているな。
今は、沿道の皆さんとハイタッチという気分じゃないということか。
まぁ先は長いからな
今日はそれだけ集中しているということか

今日は「余裕がないのかな」といった、ネガティブな思考回路はあまりない。
ということは、状態が悪くないということが言える。


この先が右折でその先は左に曲がっているから、なるべくアウトインアウトで最短距離を走ろう
ランナーはみんな道なりに走るんだよな
だから、アウトインアウトで走ると流れに沿っていなくて、ぶつかりそうになったりする


おい、急に歩くなよ
後ろからたくさんランナーが来てるんだぞ
歩くならば、コースの端に寄るとか配慮しろよ

その逆もあって
おい、歩いていたのに、人がとなりに並んだ瞬間に走り出すなよ

これはランナーならばわかると思うが、相対速度差により後ろに過ぎ去ると思っていた物体(ランナー)がそのまま視界に留まるというのは、リズムが崩れるのだ。


走りながら録音でもしていれば、他にもいろいろあるのかも知れないが、だいたいマラソンレース中に考えていることなんて、この程度だ。

終わったら肉を食おうとか
沿道のあの人が可愛いといったことは考えないし、ましてや仕事や職場のことなどこれっぽっちも思い浮かばない。
自分がどのような組織に属して、日頃どういう立場にある。
といったことは、ここで走っている自分とは何も関係ない。
そんな関係ないことを考えるほど、暇ではない。

走っているだけだから暇そうだし、たいしたことを考えていないけれど、暇ではない。

最大限の体力を使って目の前の一分に集中する。
コース上では、そのことに忙殺されるのだ。

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2017年3月17日 (金)

東京マラソン7km 太陽の下YMCA

5kmのラップからタイムが上がり始めた。
カラダが暖まってきたのだ。
それは、心拍数がLTペースの数値を指していることでもわかる。

今日はGPS心拍計「735XTJ」のデビューレース
メイン画面のデータは4種類
2008年のマラソンで初めてGPSを使って以来、デバイスは変わっても、4データ表示は一貫して変わらない。

GPS当時
「距離」「トータルタイム」「前ラップ」「リアルタイムペース(1kmあたりのタイム」

GPS心拍計に変えてから
「距離」「トータルタイム」「リアルタイム心拍数」「リアルタイムペース(1kmあたりのタイム」

735XTJではさらに、サブ画面以降にアプリが使えるため「バーチャルペースメーカー」「ゴールタイム予測」を入れてきた。
だが、サブ画面以降を使うのは終盤にさしかかり、いよいよ仕上げのタイムが気になる頃からだ。


従前の2機種「フォアアスリート205」「miCoach SMART RUN」と比べて、735XTJはあらゆる点で優れているが、レースにおいてはその軽さが助かる。
鉄の塊を腕に巻いているようだった前の2機種に対して、735XTJは付けているという感じがしない。



7kmで第二給水所
ここでもまだ給水に寄らない。
わずか120mlのゼリーが意外と長持ちする。


7kmを過ぎると、新コースへ左折
ここからが、新コースか・・
と声に出して言うが、もちろん誰も聞き手はいない。


神保町駿河台下交差点にさしかかる
YMCAの音楽が聞こえてきた
沿道の応援者が流す「YMCA」に合わせて、ランナーが一斉にY・M・C・Aのポーズを作る
東京マラソン、序盤の名物である。
各地のマラソン大会には様々な名物があるが、私設の応援による名物はあまり例がない。


前回第10回までの旧コースでも7km付近、首都高速の高架下でやっていたが、今回はコース変更に伴い場所を変えた。

音量が以前とは桁違いに大きく、主催者が設えたPAかと思うほど。
その爆音に釣られて、大半のランナーがサビのY・M・C・Aを踊っている。
中には音楽がサビのところに来るまで、その場で待ったランナーもいたらしい。

以前の高架下でのそれは場所柄、暗い感じがしたが、今日は太陽の下。
まるで主催者公認イベントのような明るさと盛り上がりがあった。

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2017年3月16日 (木)

東京マラソンランナーに許された背中の自由度

ポケットから「グレープフルーツチアシードゼリー」を取り出し、慎重にネジを切り風を開ける。
蓋を取り落としてしまったら、ポケットに戻せなくなり厄介だからだ。

120g入りのゼリーは、小出しに摂るのに好適。
ぐいっと飲むドリンクよりも、ゆっくり流し込むことができて、思いのほかいい。

これは、来年のレースでも序盤の給水に使いたい。
賞味期限は購入時点からおよそ1年。
早めに買い置きしておこう。



練習ではウォーミングアップは3km程度。
たいていは3→4kmのラップで心拍数が上がり、レースペースに乗れる。
さて、4kmのラップは依然としてジョギングペースだが、気にしない。
今日は42.195kmの長丁場。
ウォーミングアップを5kmくらいしてもいいだろう。
焦る必要はない。

レースが終わってタイムを振り返った時、この時の考えはレース成否の大きなポイントになっている。



さっきからずっと、前方歩道寄りをマイケル・ジャクソンが走っている。
いや正確にいうと時々止まっている。
沿道の女性が「きゃーマイケルぅ」と呼んでカメラを向けると、立ち止まり奇声(失礼)を上げてポーズを決める。
時々止まっているのに、ずっと僕の前を走っているということは、僕より走力があるということだ。

ハット、ちりちりの髪型、ブラックジャケット
足下をみると、コイン・ローファーを履いている。
よくそれで走れるものだ。

背中には「3.11を忘れない」のメッセージが貼られている。
東京マラソンは背中の自由度がランナーにある。
マラソン大会にはナンバーカードが2枚の大会と1枚の大会がある。
2枚の場合、前後に付けなければならず、その分面倒だし、風にはためいてストレスが増す。

1枚の場合は前に1枚。
背中には何もつけなくてよい。
だから、背中は自由な表現のスペース。
僕は DECO 20 のマーキングをしっかり、後続ランナーに見せることができる。
見せたからどうということはないが、何らかの属性を纏いをアピールする気分を気に入っている。


奇声を上げ、ポーズをとり、ムーンウォークまで始めたマイケルをようやく置き去りにしたところで5kmの第一給水所
1時間半~2時間も給水していないランナーたちが、砂漠に見つけた水たまりに群がるように密集している。

僕はというとゼリーをこまめに摂っているので、給水所はパス。
これで30秒は節約できる。


ここで今日1つめの給食ジェルをポーチから取り出す。
摂るタイミングは、覚えやすいよう「5kmごとに1つ」と決めている。
「35kmまでで7つ」
これは過去のベストレースで採ったメソッド。
正直なところ、胃もたれするジェルを7回も摂るのはしんどいのだが、それによって終盤に足が止まらないことは、過去の事実が証明している。


試しにジェルの回数を減らしたレースでは、終盤に足が止まっている。
ジェルと失速の因果関係を証明はできないが、ダメだったことをわざわざ繰り返すことはない。
それならばと、今回は無理をしてでも摂ってみようという選択をした。

ポーチには、無造作に6種類7個のジェルが入っている。
選んでいる余裕はないので、何が出てくるかはわからない。
ポーチを探ってみて出てきたものを摂る。
味を気にしている場合ではないし、実際に味の違いなどわからないのである。

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2017年3月15日 (水)

東京マラソンでサングラスをやめた理由

東京マラソンは5kmまでは下りがつづく。
今日のプランは、下りでタイムを稼ごうとは思わないこと。


これまでならば「いただきの下り」と考えて、下りは速いペースで走っていた。
だが、下りで地面から受けた衝撃は着実に太ももやふくらはぎに蓄積していく。
それが閾値を超えたところで「足が痛くなり」「足が止まる」

文章にすればシンプルなことだが、これを頭だけではなくカラダでわかったのはマラソンを始めて11年で11回め、去年の「板橋Cityマラソン」
27kmの上りを終えた途端、急激に足が止まった。
その時は、給水所のスポーツドリンクが薄過ぎたせいだと思っていたが、恐らくそんなことではない。
去年の練習はというと、手術明けという事情もあって、追い込む練習は無し。
ひたすらジョギング。ほとんど全編LSDというものだった。
そういった練習では、疲労の蓄積に足が耐えられない。


今年は、その蓄積に耐える練習をしてきた。
だが、その練習方法で正しかったのかはまだわからない。
今回のレースを終えて、振り返る時にその答えが出る。
仮説と検証のレースである。



「くまモン~」
沿道の女性から声がかかる
声の方向を見やり、手を上げて応える。
目と目が合ってにっこり。

今日は過去5年のレースで続けていたことを1つ止めた。
それはサングラスをかけること。
マラソン書籍によると、サングラスは日光を遮ることで脳の疲れを低減させるとされていて「やった方がいいことの1つ」である。

だがサングラスをかけてからの5年、会心のレースがない。
サングラスをかけることで、視界が暗くなり、テンションが下がるのではないかと訝っている。

それよりも、サングラスを止めた本当の理由は別にある。
それは沿道で応援してくださる皆さんとの「心の通い合い」


世の中には色の入ったメガネをかけている人が居る。
もちろん、それぞれの事情があってのことだろうが、人となりが見えづらいのは確かだ。
目と目が合ってこそ、心が通う。
サングラス越し、どんな目をして見ているかわからない人とは、心が通わない。
過去5年、沿道の皆さんとハイタッチをした時に、どうもしっくり来ない感覚があった。

今日は東京マラソン
沿道の皆さんとの心の通い合いの方が、脳の疲れの緩和よりも優先順位が高い。



もしも「熊本県人会」のような一団がいて「くまモ~ン!」と声がかかったら「あとぜき」のポーズで決めようと考えていたが、残念ながらその機会には恵まれなかった。

熊本地震が起きてから初めての東京マラソン。
くまモンをアピールするランナーがもう少しいると思っていたが、レース中に出会った「くまモン」は僕を含めて3人だった。

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2017年3月 8日 (水)

マラソンレース 最も緊張する瞬間

次の角を曲がるとそこは都庁前の道路。
ウォーミングアップがてら、ゆっくりと走っていたが、一転してウォーキングになる。
前が詰まっているのだ。


スマホを取り出してスタート付近を撮影する人・人・人
8年前にこの大会を走った時と違うのは「自撮り」の人が増えたと言うことだ。
2009年はまだスマホがガラケーよりも少なかった頃。
スマホの契約数がガラケーを上回ったのは「2014年9月末」
まだ、ついこの間のことだ。
8年前も、写真を撮っている人は大勢いたが、それは風景の撮影であり、自分を構図に入れるところまで凝る人は居なかった。

この8年の「写真事情」の変化を感じる。
さすがに自撮り棒を持ってきた人は見なかった。
だが、世界各国にはいろいろな人が居る。
あと数年したら、主催者から「No jidoribo」のお触れが出ているかも知れない。



スタートラインまであと100m
この瞬間は、何度走っても複雑な気持ちになる。
もう始まってしまうんだな
あぁこれから42.195kmも走るのか・・
練習では20kmしか走ってないのに

ここではまだランナーになっていない、かと言って歩行者でもない
日常からレースという過酷な環境に吸い込まれていく瞬間だ


マラソン本番が近づくと、ふとした時に緊張感が高まることがある。
そうした時は「おいおいまだ早いよ。入れ込むのはレース直前からでも遅くないよ」と自分を諫める。
そして、実際に最も緊張感が高まるのはレース当日の朝、目覚まし時計で起きて間もない時だ。

これからいくつものto do 事項を抜け漏れなくこなし、万全の準備でスタートに整列しなければならない。
大丈夫かな?うまくいくかな?
こうした「曖昧な不安」と付き合う一瞬に、人は緊張する。
だが、そこから粛々とものごとを処理していく。
目の前の一分に集中することで、緊張は忘れていく。

そして、走り出せばもう緊張はない。
あるのは「不安」だけだ。できるだけ、付き合わないようにするのだけれど。



「くまモンがんばれ!」
ボランティアのおじさんから声がかかった。
そして、今日1人めのハイタッチ
荷物トラックの持ち場が終わったボランティアは、沿道から応援してくれる。
観衆は一段高い歩道からの応援なので距離が遠いが、ボランティアはコース脇に入ることができるので、応援が近い。


直前にスマホで確認した天気予報によると、9時から15時まですべて「晴れ」のお日様マーク。
直射日光を遮るために、従前のレースで使っていたアシックスXTC145の「日よけ」をくまモンキャップにセットしてきた。
応援を受けるためのツール「くまモンキャップ」
スタート前にひと声かかり、幸先がいい。


スタートラインで735XTJをスタートさせる。
実際はゲートが太すぎて、どこがスタート「ライン」なのかがわからなかった。
手元の計測と公式タイムには2秒のずれがあったので、少し押すのが遅かったらしい。

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2017年3月 7日 (火)

衣服をスタートに廃棄していく東京マラソンランナーたち

ようやくトイレを終えて、コースの接続路へとスロープを上がる。
とうにブロックは締め切られていて、最後尾スタートとなる。
それでも、レース中にトイレに行かずに済むことは僥倖だ。
この時は無事出すものを出し、スタートラインに立てる安堵感だけを感じていた。
いずれにせよ、ネットタイムしか気にしていないので、最前列でも最後尾でも同じことだ。
この時は、そう思っていたのだった。


列に並ぶ前に「直前ジェル」を摂りおえて、ゴミを集めていたボランティアに廃棄をお願いする。
この大会の「ゴミ袋を手にしたボランティア数」は、世界一だと思う。
「直前ジェル」はノン・カフェインのもの2つを、走り始める直前に摂る。
かつては、カフェイン入りジェルといえばショッツ・エナジージェルくらいだったが、最近ではどのジェルにもカフェインが入っている。今回も買い出しから帰って、成分をチェックしてみると9つのうち7つがカフェイン入りだった。


iPhone5sによると、気温は9度と表示されている。
アシックスのポンチョのおかげで、震えるほどの寒さではない。
風がないのも幸いだ。
ポンチョはアゴの下に当たる部分を、はさみで丸首襟のカタチに切り込んでおいた。そのままだと首に当たって、息苦しさを感じる。
スタート前は神経質になっている時なので、こうしたひと工夫は馬鹿にならない。



ポーチからiPhone5sを取り出して、抜けるような青い空とランナーを撮る。
レース中、気が向いたら名所撮影でもしようとカメラアプリを操作しやすい位置に配置しておいた。
だが、この日撮ったのはこの1枚きり。
レース中、写真を撮りたいと思う瞬間は一度も訪れなかったのだ。


9:00
ウォークマンのスイッチON
「東京マラソン2017」セットリストをスタートさせる。
号砲までの10分、ロスタイムの読み17分。
合わせて27分までは、スローテンポで心を落ち着かせる曲が並ぶ。

緑(聞くだけで自律神経が整うCDより)
モリスンマアチ(菅野よう子)
東京シナリオ(UNISON SQUARE GARDEN)
にじいろ(絢香)
365日の紙飛行機(AKB48)
Hey Jude(Beatles)
I wanna bi there(Mr.children)


9:10
号砲が鳴る。
小池百合子がスターターを務めたことは帰宅して録画を見て知った。
僕がスタートラインをまたぐ頃には誰も居なかったし、そこに誰かがいるものだとも思わなかった。
いずれにせよ、それはとてもよかった。



号砲が鳴ってしばらくすると、最後尾の列が動き出した。
まだスタートラインまでは何度か角を曲がらなければならない。
ゆっくりと歩き出すと、意外にも皆が一斉に走り出した。
前が空いているのだ。
ここはまだ、ネットタイムにはカウントされない所なので超スロージョギング。
アップ代わりに活用させてもらう。


沿道のガードレールやバリケードに無数の「ジャージ」や「スェット」「パーカー」が掛けられている。
ランナーが脱いでいったものだ。
東京マラソンでは、スタート前の防寒着衣を回収して返却するサービスはない。
ここにあるということは、廃棄したと言うことになる。

この日を見越して、ゴミ箱行き寸前のジャージを1つキープしておいたのか。
はたまた、国際的廉価衣服販売店で用立てたのか。
いずれにせよ、感心できるものではない。

僕はというとアシックスのポンチョを、ゴミを回収してくれるボランティアに渡し、処分をお願いした。

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2017年3月 6日 (月)

東京マラソン お粗末なトイレ周りの統制

折り返しながら進んでいくトイレの整列。
新たに列に並ぶ人は、いったい何処に並べばいいのかがわからない。
僕の列は牛の歩みで進んで行くのだが、途中から別の列が合流して来たりして、自分が正しく並べているのか不安に駆られる。

「この列でほんとに大丈夫かしら?」
さっきから、後ろのおばさんがしきりに話しかけてくる。
大丈夫かと問われても、こっちにだってわからない。

「僕も同じブロックなんですけど、スタートまでどれくらいかかりますかね?」
今度は、僕のナンバーカードを見て、前のおじさんが話しかけてきた

ナンバーカードには5桁の数字の先頭にスタートブロックのアルファベットが記されている。
他には入場ゲート番号、荷物トラック番号
左端にはキリトリ線の内側にカナ氏名とナンバー。
ここはDNFで収容したランナーから切り取るのだろうか。
2009年のナンバーカードと比較したところ、ナンバーカードの記載情報は同じだった。
東京メトロ(上段)STARTS(下段)のスポンサーまで同じだ。

「30分とかかかったりしませんかね?」
恐らく、このおじさんは関門封鎖が心配なのだろう。
このブロックならば、ロスタイムは17分と読んでいるんですけどね。最後尾でもない限り30分はかかりませんよ
そう応えると、すでに気持ちはどこかに行ってしまっているようで、おじさんは生返事だった。


列は進むのだが、時間も進む。
これは初マラソンから一貫してそうなのだが、スタート前のトイレに並ぶと大きい便意が訪れる。

「身軽になってから、行きたいだろう?」
そういうカラダの粋な計らいに、人間を作った神様はすごいなと感心する。
だが、今日はピンチだ。
このままスタート時間を迎えたら、さすがにトイレどころではない。
コース上にもトイレはあるが、立ち寄ればタイムロスになる。
過去11回のマラソンでは、一度も途中でトイレに行っていない。できれば、今日もそうありたい。


8:45
ついに整列締め切り。だが、まだ数百人のランナーがトイレを待っている。
8:50を回った頃、警備員のような服装の係員が来て「トイレはここだけではありません。向こうのトイレが空いています」とがなり始めた。

「遅いよ」「ここまで来て言うかね」
ランナーは一様に不満な表情だ。
トイレの列には外国人もたくさん並んでいる。

「toilet fast over there!」
係員はなんだかよくわからない英語も使う
つづけて「ムコウのトイレガハヤイデス」
いったい、それは何処の国の人に言っているのか?
吉本のコントみたいなイントネーションに、ランナーがどっと笑う



東京マラソンのボランティアは総勢11,000人
前回までは先着順だったが、今大会より事前登録制の抽選に変わった。
スタートエリアは6時頃に集合してスタート直後には仕事がなくなってしまう。
拘束時間がとても短い持ち場だ。
だから、あまり人を割けないのだと推察するが、トイレ周りの混乱と統制の欠如は目に余った。

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2017年3月 5日 (日)

東京マラソンゲート コンサート会場の後は搭乗手続き

「飲み物は持っていますか?」
セキュリティリストバンドの次は、持ち物検査。
こうなるとほとんどコンサート会場である。

はい、これが120mlで・・
そう言ってAsahi Slim up Slimを見せる。
係員はここで追求の手を緩めたようにみえたが、僕は続ける。
パックのファスナーを開けて、これとこれも合わせて3つで420mlです。
「はい、いいですよ」
係員は初めから性善説に立っているように見えた。
それはそうだろう。
マラソンを走りに来た人は、日頃は横着者でも、その日だけは「いい人モード」に入るのである。

「スマホは持っていますか?」
主催者が(安否確認システムのために)スマホを携行して走るよう周知していたので、その確認をしているのか。
ポケットからスマホを取り出すと「お預かりします」
金属探知機のチェックだった。
空港の登場手続きそのものである。



東京マラソンのスタート会場は、着替え場所が貧弱である。
ランナーはそのあたりの路上で着替えている。
唯一、それらしいのは新宿中央公園で、この状況は2009年に出走した時と何ら変わっていなかった。
36,000人の人が一堂に会しているのに、この小さな公園で事足りているのが不思議だ。
前回参加した時は、大江戸線の「都庁前」駅コンコースで着替えている人がいて、係員からやめるよう注意されていた。


階段が空いていたのでそこに陣取る。
今日は折りたたみ椅子を持参していたが、不要になった。
印刷してきた「直前ルーチン」表に則り、準備を進めていく。
手順①は「ウィンドブレーカー上下を脱ぐ」なのだが、寒いので後回しにする。
これが災いした。
脱ぐのを忘れていて、危うくブレーカーパンツを履いたまま走るところだった。
荷物を預ける寸前に気づいて、慌てて脱いだ。



8:00
荷物を預けた時点で、ブロック整列締め切りまで45分。
これならば余裕だ。
スタートブロックに一番近いトイレの列に並ぶ。
2009年に参加した時は20分待ちだった。
今回もそれくらいか・・
と想っていたら、これがとんでもない見込み違い。
結果的にトイレに駆け込むまでに55分を要してしまった。

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2017年3月 2日 (木)

第一給水所が5kmより手前に作れない理由

セコムの黒いスキャナーから「ぴっ」と音がして認証成功。
続いて手荷物検査に進む。

今回、予定が狂ったのは飲料の制限だ。
ボストンマラソンでテロが起きた後、東京マラソンではセキュリティ・チェックが厳しくなっている。

・容器は「紙」「アルミパウチ」のみ
・未開封
・1つ250ml以下 合計500ml以下(数は問わない)

これらの条件をすべてクリアしなければならない。
いつもレースに持参する「グリップ給水ボトル」は「ペットボトル」であること、内容物が自家製であることで規定に抵触する。

しかし、第一給水所は5km地点と遠い。
荷物を預けてから 5km地点に着くまでには1時間半~2時間はかかる。
それだけの間、一切給水できないのはしんどい。

マラソン大会は何処の大会でも第一給水所が配置されるのは5kmあたり。
その手前に置く大会を知らない。
そこから先には2~3km毎に給水所があるというのに、なぜ第一給水所だけはスタートから5kmも離れているのか?

それは「事故防止」の観点である。
「つくばマラソン」のようなウェーブスタート(時間差グループ別スタート)を採用しない限り、マラソンは全員が一斉に走り出す。
初めのうちはコースが渋滞している。
その渋滞のまま、第一給水所に突入したら、足を踏まれて靴が脱げるとか、ぶつかって転倒するといったリスクがある。

一方、給水所側としても限られたスペースで設営しているので、短時間に大量のランナーが殺到すると、コップにドリンクを注ぐのが追いつかなくなり、テーブルが空っぽで、ランナー大ブーイングということになる。


従って、マラソン大会の第一給水所が5kmにあるのは仕方がない。
そこで自衛手段となるのが、自主給水。
自分でドリンクを持って走ればよい。
そのために編み出したのが「グリップ給水ボトル」なのだが、今回はそれが使えない。

そこで前日コンビニで「未開封」のドリンクを吟味した。
レース中にストローで飲んでいられないので「紙パック」は初めから除外。
選択肢はアルミパウチしかないが、大半はでっぷりとしたフォルムでかさばる。

・1つ250ml以下
・かさばらない
この条件をクリアしたのは次の商品。

品名:Asahi Slim up Slim
容量:120ml
内容:グレープフルーツゼリー

アサヒグループとしても、こんな買われ方を想定していないだろうから、中身はドリンクではなくゼリーである。
しかし、この際細かいことは言っていられない。
この商品は、ランニングショートパンツのポケットに入れて走ることができた。
ポケットにモノを入れて走るのは、ぶっつけ本番が初めてだったが、まったく気にならなかった。

いつものレースは「FCバルセロナ」「チェルシー」「フルミネンセ」などのフットボールクラブの短パンで走るが、フットボールのパンツにはポケットがない。
今回初めてナイキのランニング専用パンツを使用した。
これは、とても軽くて履いている心地がしないし、両サイドに付いたポケットがドリンクホルダーとして機能して助かった。

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