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2005年10月18日 (火)

靖国トリック

 大阪高裁(二審)が小泉首相の靖国参拝を違憲と判断した判決が確定した。

 マスコミはこういいきる。*
 文脈は事実のようだが、ここには言葉のトリックがある。

 この言葉から連想されるのは 「小泉首相の靖国参拝が違憲という判決が確定した」ということだが、実際にそんな判決は出ていない。
 出た判決は「原告の損害賠償を棄却する」である。その判決文のなかで「靖国参拝は宗教行為だから違憲だ」と指摘があったということだ。

 裁判所はなぜ判決以外に、こういう「判断」や「指摘」をするのだろうか。裁判官は、原告の訴えに沿った結論を言うのが仕事ではないのか。

 靖国参拝が宗教行為なのは当たり前だ。裁判所が "判断" するまでもない。
 だって、靖国神社は宗教法人なんだから。
 宗教法人の施設を参拝すれば、それは宗教行為だろう。
  (靖国問題が一般人にわかりにくいのは、ここにポイントがあるので、これは改めて書こうと思う)

 原告は"小泉首相の靖国神社参拝で精神的苦痛を受けた"という台湾人116人を含む計188人。損害賠償は棄却され敗訴したが、同判決が "靖国参拝を憲法の禁じる宗教的活動と認めたこと" を評価し、11日後に上告を見送り判決が確定した。

 確定したのは「損害賠償しませんよ」という原告側の敗訴であって 「小泉靖国参拝が違憲ですよ」ではない。

 横着でずるい大人の皆さん、ことばのトリックはやめましょう。子供が真似をします。


*10月17日の報道ステーションでは、VTRのバックで「大阪高裁で違憲判決が出たばかり」とナレーションを入れ、画面スーパーで「大阪違憲判決から見る小泉総理の靖国参拝」と出し続けた。突っ込まれたら逃げが打てる巧妙な表現だが、視聴者の中には「小泉靖国参拝を大阪高裁が違憲とする判決をくだした」と受け取った人がいたのではないか。

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