SEは不要になる
村上龍がエッセイ「ハバナ・モード」で次のように書いている。
(以下引用)
コンピューターシステムのシステムエンジニアは、特別に才能がある一部のプロを除いて、あと10年もすれば不要になる。あらゆるプログラミングは一巡して完了するし、インドなどの安い労働力がさらに台頭してくるからだ。
(引用おわり)
SEをやっている人間として、これに同意する。
コンピューターシステムは企業内情報システム部の手作りの時代が終わりへ向かい始めている。
大手ソフト会社のパッケージソフトを購入し、それに自分の会社を合わせる時代が始まったのだ。
中小企業は初めから自作コンピューターシステムなんて組むお金はないので元からそうである。
これまで自らの会社のノウハウ(コアコンピタンス)を外に出すわけが行かないと自前の組織を抱え、自分達の業務は独特なものだ!と勘違いして、オリジナルのシステムを組んで来た人たちが、その齟齬に気づき始め、もうこのまま改訂し続けることは蟻地獄にはまることだと危機感を抱いていた。
そこに、ベストプラクティスという錦の御旗で外資系のベンダーが攻勢をかけているのだ。
パッケージソフトはドイツの大手ソフト会社、データベースは米国の会社、OSは米国とフィンランド、サーバーは米国。
さらにパッケージソフトを導入する人材も居ないから、コンサルという米国の会社に勤める礼儀知らずの日本人達が乗り込んでくる。
村上龍が言う「一部のプロ」の大半はこのコンサルということになる。
僕が大嫌いな「勝ち組」という言葉は彼らのためにあるのだろう。
小泉政権以降の日本政府は科学技術については正しい舵取りをしたが、自前のIT産業造りはやろうとしていない。誰かに遠慮しているのだろうか。
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