FIFAスマトラ沖地震慈善マッチ
ヒルトンバルセロナのロビーは間接照明で薄暗い。
そこにエレベーターから閃光と共に1人の選手が降り立った。
と思ったらTVカメラのライトだった。
理由は分からないが、たくさんの選手が通過していったなかで、この時だけデジカメを持って駆け寄った。ホテルの中はファンは入れないのでその輪に加わったのは宿泊客だろう。その数は10人もいなかった。
インタビュアーが「はい、ちょっとここで止まって」と彼の行く手を遮る。彼と僕の間に遮るものは何もない。悪いかなぁと思いつつもフラッシュを焚いてシャッターボタンを押した。
あとで見たら見事にピンぼけしていた。
2005年2月15日、バルセロナのカンプノウでFIFAスマトラ沖地震チャリティマッチが開催された。この試合は前年のバロンドールシェフチェンコが率いる「欧州選抜」と、同じく前年のFIFA世界最優秀選手ロナウジーニョが率いる「世界選抜」の対戦。移籍市場換算で634億円のスーパースターが慈善基金のために一堂に会した。日本からは中田英寿が出場している。
今でこそこうして語句解説リンク付の文章が書けるが、バルセロナに着いた時点では「その日なんかそういう試合があるらしい」という程度の認識で、ましてやその選手達が同じホテルに居るとは知る由もなかった。
21:00からカンプノウで行われる試合にさきがけ、選手の宿舎でもあるヒルトンバルセロナホテルの地下1Fではレセプションが行われていた。
地下に降りる階段には、事件現場に警察が設ける規制線のようなテープが張り巡らされており、エレベーター前にも警備員が配置されている。VIPの選手を守る任務の彼らはきっと選ばれた人達に違いない。
階段とは反対側にあるエレベーターが開き、彼は僕らが"足止め"を食っていた一階に姿を現した。
インタビュアーの制止に足を止めた彼がコメントを始めた。
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