イスラエルで留年
古くからイスラエルに関心があった。
落合信彦が書くノンフィクションで、イスラエルについて読んだのがきっかけだ。
それによるとイスラエルは、その情報意識の高さで四方を敵に囲まれながらも、独立を守っているという。
まだパソコンも無かった時代に「情報」を武器にしているのが興味深かった。
卒論では、ついそういった情報意識について熱弁してしまったところ、教授がつけた評価は「C」 他の学生は全員A。危うくイスラエルのせいで留年するところだった。
長い歳月が過ぎ、僕はイスラエルの会社がつくったシステムの担当になった。表敬訪問という名のセールスで、イスラエル人の社長が僕を訪ねて来るというのでヘブライ語の単語カードをつくった。普通なら「Nice to meet you Mr.」とやるところを「シャローム!」と受付で迎えたら「なんで、兄さん、しゃべれるのん」とびっくらこいていた。
でも「彼女の名前はケイコです」とか「また会いましょう」とかしか練習してなかったので、会談はずっと英語。
英語は苦にならないのだが、通訳の女性が同行していたので、仕事を奪ってはいけないと思い、日本語を使った。(真に受けないでくださいね)
僕が「あなたの部下の提案がすばらしく、要件定義はとても順調に進んだ」と話し、イスラエル社長が英語で答える。彼の目を見て「はは~ん」とか言いながら、すべて分かっているという顔をして、話し終えると通訳の女性の方をみて「なかなかいい訳だねぇ」という顔をするのはとても疲れた。
僕は情報に対する意識が高いイスラエルに、ぜひ一度行ってみたい。といったことを話したところ
「ぜひ来なさい。今度招待しよう」
と、とんとん拍子に話しが進んだ。
そして、数ヶ月後、まだ肌寒い2月、自主規制が浸透して義理チョコの1枚さえ来なかった日の翌日、僕が降り立った空港はバルセロナだった・・
なんでやねん!
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