パンコントマテ
スペインでの初めての食事にパン・コン・トマテが出た。バルセロナ滞在中、これをあちこちで食べることになるのだが、スペインではこれが「参った」というまで出てくる。実際に「参った」と言っているのにスペイン語しか話さないスペイン人には通じないので、いつも皿にはこれが積み上げられている。
ヒルトンバルセロナのそれは、バルセロナのどこで食べたそれよりも最高だった。思わず、たかはしみきを連れてきて「こげぱん バルセロナをゆく!」を書かせたくなった。 おいしい時は「ブエノ!」って言うんですよとスペイン語の練習をしていたら、ウェイターがにこにこしながら、追加のパンコントマテを持ってきたのには参った。
22時までは近くのスーパーが開いているというので三々五々、水やおやつを買い出しに行く。スーパー愛好家にとって、旅先のスーパーの食品売り場は宝の山である。
仲間の二人が「水ってどこにあるんだろう?」ときょろきょろしていたので、単語カードにして覚えてきた「トイレは何処ですか」の変形で
「ドンデ エスタ アグア ミネラル?」
とやると、ふむ、なかなかやるな東洋の青年と一瞬感心したうえで、佐野元春が「カモン、レッツゴー」と叫ぶときのように手招きをして「さぁ、こっちだ着いてこい」
と誘導してくれた。仲間の二人は「おぉ通じた」と驚いている。以来、未だにその二人からはスペイン語の帝王と呼ばれている。
その時はスペイン語としては間違いなんだろうなと思っていたが、後に武田修宏の「イージースパニッシュ」を読むとこれが正しい用法だとわかった。
水2本、缶入りピーナッツ、プリン4パックを買って3ユーロちょっと。暗算しておいたのと比べてもあまりに安いので、これは計算間違いだろうときょとんとして待っていたら、早くお金をここにおけ と促された。英語を話さないスペイン女性との会話は「オラ」と「グラシアス」だけである。
買い物袋をさげて部屋のある10階に戻ってくると、ちょうど22時をまわっていた。カンプノウでは後半が始まる頃だろうか。エレベーターが開くと意外な男が僕を待っていた。
| 固定リンク | 0
「デコ」カテゴリの記事
- W杯2010「山本昌邦のウルグアイ講座」につづく「モロッコ礼賛」(2022.12.12)
- W杯2022 ポルトガル対日本 初対戦の可能性をしらべる(2022.09.13)
- W杯6大会連続出場 ポルトガルの歴史(4)ユーロ初優勝(2022.09.12)
- W杯6大会連続出場 ポルトガルの歴史(3)(2022.09.11)
- W杯6大会連続出場 ポルトガルの歴史(2)(2022.09.10)