カンプノウが誇りなの
英語でおこなわれる会議を聴講していると、齋藤さんがフリータイムにスタジアムに行くという話しが入ってきた。
昨日、グラシア通りのアルマンドバシでは男心にぐぐっと来るようなシャツが見つからず、なにか買いたい気持ち満々だったので混ざることにする。
FIFAオールスタースマトラ沖地震慈善マッチの宿舎となったヒルトンバルセロナからカンプ・ノウまでは徒歩15分ほどの距離。少し肌寒い2月のバルセロナの街を男4人がスタジアムをめざす。
ディアゴナル大通りを西へ、スペインのデパート「エル・コルテ・イングレス」から左に折れてカルラス3世通りへ。その後は地図で見る限りラス・コルツ通りを右折すれば一本道のはずだが、途中「スタジアムはこっちです!」というわかりやすい看板も出ていないので皆、不安顔。
そこで、既にこの時「スペイン語の神様」と思われていた僕が道を聞くことにする。齋藤さんにそこはなんていうの?と聞くと「かんぷのーる」という返事
5人組でたむろしていた女子高校生(たぶん)に声をかける
「オラ! ドンデ エスタ カンプノール?」
すると「あっちあっち ^^;)」
と全員が一斉に飛び跳ねながら指をさして教えてくれる
「東洋のお兄さん。カンプノウにきてくれたのね。嬉しいわ。バルサのファンかしら?私たちはカンプノウが誇りなのよ!」
と顔に書いてあった。
異性の外国人に対して親切なのはどこの国も同じようだ。
さてカンプノウが見えてきたのはいいが、試合予定もない平日の午後、チケット売り場に人影は無くゲートは閉じられていて、どこから入っていいかもわからない。カンプノウを右回りになめながらしばらく行くとオフィスらしき場所があり、警備員がいる。
「Where is the official shop?」
ときいても怪訝な顔をしている。
「ユニフォーム!」
「スーベニア!」
と適当に叫んだら「9番ゲートへ行け」というようなことを教えてくれた。
つづく デコシリーズは毎週日曜日に連載
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