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2006年1月17日 (火)

設計図を書き忘れた人

 パソコンを勧めた3人めは、客商売の個人経営者。
 僕が商談に行ったときに見せる、エクセルやPower Pointの資料を、画面に頭を突っ込むんじゃないかと思うほど、食い入るように見ていた。
 彼は僕が営業に来るのを実に楽しみにしていて、僕からすればさほど重点立ち寄り先ではなかったが、行けば本当に嬉しそうに迎えてくれるので時々行った。

 結局、僕が使っていたのと同じメビウスのハイエンドマシンを買うのだが、ハードソフト一式の値引き後金額でさえ、いきなり70万円を超えていた。当時、友達が大手パソコンチェーンの店長をしていて、店頭価格が20%が限度の時代に、無条件で30%引いてくれた。自分のマシンはもちろんそこで買ったし、勧めた人からも頼まれて紹介した。
 友達は薄利でも売上が大きくてにこにこだし、勧めた人はどこよりも安く買えて自宅まで無料で届いて大満足。僕はその二人の喜ぶ姿を見て嬉しくなる。

 この個人経営者は今年も年賀状をくれた。もう仕事の縁が切れて7年めの正月になる。
 購入後、3ヶ月で僕を追い越し、半年後にはとてもついていけない世界に彼ははいっていった。今ではずいぶんと顧客も増えているようだ。

 パソコンは心の設計図。想像力がパンクするまで必要ない。
 ゆえに、学習指導要領に入っているコンピューター・リテラシーの教育なんてナンセンス。生まれて18年くらいは心の設計図を書き溜める時期でいい。

 今はパソコンを買えばエクセルやワードで何も作らなくても、ネットとメールのツールとして機能する。1990年代によく使われた「ホコリをかぶる」という言葉をいう人もいなくなった。

 ネットとメールでパソコンを使えば何も考えなくてよい。
 設計図を書き忘れた人、設計図を書きつづける人
 パソコンはその人によってまったく性格が違う機械だ。

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