サインマニア
デコは5~6人ほど他のブロックのファンにサインしたあと、目の前にやってきた。左隣りの女の子のデコ雑誌にサイン、そして僕。確認できた限り、その日デコ20マーキングのユニを持ってきていたのは他にあと一人だけ。
左手はカートを押しているので、空いているのは右手一本。書きやすいようにスケッチブックを下敷きにして、デコが書きやすい角度にユニを修正する。いったん書き始めたマジックを5cmほどで止め、少し態勢を直して、きちんとDECO20の文字が入る。
その間わずか5~6秒、それでも後から他の人に見せてもらったサイン帳などに書いたものと比べると、格段に丁寧。やはりマーキングユニはファンの証。選手も大切に思ってくれるようだ。よく、ノンマーキングのユニいっぱいに寄せ書きのようにサインを集めている人がいる。その場にも十数人いたが「サインマニア」という人なのだろう。選手やクラブが好きというのではなく、ただ有名選手のサインを集めているコレクター。カードホルダーを見せてもらうとバルサ以外の選手のサインばかりだった。この来日ではロナウジーニョが直前にコンフェデに召集され不参加となった。だが、一ヶ月後のツアーでは、ロナウジーニョ目当ての「サイン転売屋」が加わることになる。
サインを終えると、右隣りのデコ生写真にサイン。立ち去ろうとするところに デコ・ファンサイトの資料を渡そうと紙をかざしたが、デコは受け取らず行ってしまった。後で考えてみれば「この紙にもサインをよこせ」と受け取られたのだろう。
サインをもらうのに手一杯でカメラには手が回らず、デコ写真も撮れず。こういう時はあと二本の手か、専属のカメラマンが欲しい。サインをもらえた喜びと同時に二つの課題が残った。
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