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2006年4月 2日 (日)

1時間前

 つい1時間半前、僕は車の中でデコに確実にプレゼントを渡す策を考えていた。
 一旦、ホテル前を切り上げて帰ろうか、どうしようかと考えていたのだ。

 初日の経験でいくと、選手は片手にカートや荷物を持っているので片手しか空いていない。その片手はファンにサインをする利き腕なので、プレゼントを受け取ってしまうとサインが書けなくなる。ということは一番奥に陣取ればよいのではないか。あとはわかりやすいように愛・地球博の袋に「Senor Deco」にあと1行「Present」と加筆した。

 ここまで待ったら、悔いを残したくない。そう思いホテル前に戻るともう30人ほどの整然とした列ができている。ちょっと遅かった。一番奥を取ろうにももう空きがない。
 先ほどまで話していた仲間を探すと、それまで着ていたバルサ0405HOMEユニを脱ぎ、当て紙をして手に持っていた。僕にきづいた4人が
 「おつかれっす」
とにっこり笑って迎えてくれる。なんだかとても心温まる。
 すると4人は、それぞれに少しずつ詰めてくれて
「ここ、スペースっす」
と僕に場所を空けてくれた。「え、いいの?ありがとう!」

 さらに待つこと1時間
 「シャビ来たら、シャビ・アロンゾ!って言っていい?」
 「よしなさい」
と一般社会では誰もわからないボケと突っ込みがココでは最高に面白い。

 横浜から帰ってきたと思われるスペインのソシオ達のタクシーが着く。
 ホテルマンがトランシーバーで交信を始める。
「くるぞ!」
 思わず僕が叫んだ瞬間、想定とは違う裏の駐車場からバルサのバスが現れた。ホテルの構造上、裏の駐車場で降りて部屋に入ることも可能なのだが、感情を大切にするクラブ、バルサのファンは誰ひとりそんなことを疑っていない。
 そしてファンもまた、誰から言われたわけでもなく、ホテル内には一歩も立ち入らず、外の決められた位置だけで整然と待っている。だが、一ヵ月後には悲惨な光景を見ることになる。

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