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2006年6月16日 (金)

サッカーの神様

 「(日本の先制点について)あれは明らかにGKへのファウル。最後には正義が勝った。審判はこの結果になったことで神に感謝するだろう」
 "ヒディンク・マジック" "名将"と持ち上げられると、神様の代弁もできるようになるらしい。

 ところが、その張本人エッサム・アルデブファタ主審が、日本の先制点を誤審と認めたうえ「オーストラリアが勝ってくれて、神に感謝している」と言ったという。
 本当に神に感謝するとは開いた口が塞がらない。

 感謝されたサッカーの神様は、さぞ複雑な心境だろう。

 イタリアのスポーツ3紙は1-1の後、駒野がペナルティエリア内で倒されたのはPKだったが、主審は反則をとらなかったと指摘。FIFAのジーグラー広報部長も後日、記者会見でそれを指摘した。


 これらの状況から容易に想像できるのは、いわゆる審判による「お返し」
 誤審に心が痛んだ審判が、次にもう一方のチームに荷担した判定をするというもの。
 NPBではストライクの判定で恒常的に行われている。

 「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」
楽天イーグルス野村監督のことば。
 競技に携わる者は負けの中からこそ、より多くのことを学ぶことができる。すべてを自分の責に帰さぬ者に道は開けない。

 5月に終わったCLでは、敗因を審判に押しつける姿が散見された。
 審判にクレームをつけた選手とチームは来期、CLを制覇してその言葉に偽りなしと証明するだろう。だが、勝者の栄光を汚した者は勝者となる順番がきても尊敬は受けない。

 日本代表に、負けて泣き言をいうような醜態は見受けられない。
 勝ったうえ、さらに判定に異議を唱えるヒディンク。
 両者の行く手にはどんな命運が待ち受けているのか興味深い。

参考文献 讀賣新聞 2006/6/13

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