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2006年7月 1日 (土)

ずっと前からわかっていたこと

 サッカー日本代表がオーストラリアに終盤、逆転されて負けた。
 メディアやブログのライターは一斉に言う。

「名将 ヒディンク・マジック炸裂!」

 マジックじゃないでしょ。
 負けている展開でフォワードを何枚でも入れてくるのは、4年前からわかっている。

 手を打たない監督ジーコ、おかしな手を打つベンゲルに共通するのはカリスマ性があり、選手に尊敬され選手を育てることには長けているが、ゲーム中の戦術に疎いこと、冷静な采配ができないこと。

 通信社がそのように配信しない限り、大きな放送局や新聞社がそう伝えることはない。
 だが、個々のライターは雑誌やWebの記事でそう書いてきた。

 川淵キャプテンは、W杯直前に発売された初めての著書「虹を掴む」で前々監督トルシエを非難している。

 ジーコを選んだことについては "日本サッカーの長期戦略上、こういうことを期待した"というような明確なポリシーはなく、

 "ジーコがやってくれたら、嬉しいなぁ"
 "ジーコにやらせてみたい"
と思っていて、ダメ元でオファーしてみたら、OKの返事がきてびっくり。

・・という状況だったと受け取れる内容を書いている。

 川淵キャプテンが "2050年までに再びW杯を日本(単独)開催し優勝する"とした「JFA2005年宣言」を出したのは、2005年元旦のこと。
 ジーコを選んだ2002年の時点では、まだ長期戦略が固まっていなかったのだろう。

 2002年W杯が終わった秋、版元各社は返品の山を抱えていた。
 「W杯の影響で本が売れなかった」
 というのが、その理由として挙げられた。

 W杯が日本で開催されることが決まったのは、昨日や今日ではなかったはずだ。

 「デコの代役不在が弱点」
 これはポルトガルを評するメディアとブログのライターが口を揃えて言う。
 スコラーリ監督は、今大会、既にデコ不在の試合を2度勝っている。

 ずっと前からわかっていたことは、想像力がある人にはずっと前からわかっているのだが、そうでない人には、結果が出てからでないと、わからない。

*参考文献「虹を掴む」川淵三郎 講談社 2006年6月



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