精霊流し
故人を偲ぶ船をつくり街をねり歩き、川に流す長崎県のお盆行事。
8月15日開催
佐世保市では河川の汚染防止のため、ある年から川に流さないことになった。
佐世保市の中心、名切町(なきりちょう)のグラウンドに設営された会場まで、親戚縁者が船を引いていく。船は乗用車クラスの大きいものから、二人で持てる小さなものまで。
大きいものには故人の遺影が飾られているものが多い。少し不気味。大きい船は持ち運ぶチームも多勢でにぎやか。船の前後では爆竹を鳴らす。近くで聞くとものすごい音響だ。
小さい船は少人数で、心なしか運ぶ人たちの表情が暗く、寂しさを感じさせる。
精霊流しの間、警察が出て 国道の歩道寄り1車線が交通規制され、精霊船の通り路として使われる。
同時間帯、佐世保川では灯篭流しが行われる。1,000円を支払うと小型の灯篭が手渡され、置いてあるマジックペンで思い思いの絵や文字を書き込む。それを係り員に渡すと、大人数の係員がバケツリレーのように灯篭を受け渡して、川にそっと流す。
こちらは爆竹の音はなく、さだまさしの「精霊流し」がエンドレスでスピーカーから流れる。
さだまさしは音楽だけでなく、語り、著作でも一流の才能を発揮している。「精霊流し」はベストセラーとなり、「解夏」はテレビドラマと映画になった。
2006年4月20日、彼のエッセイ「本気で言いたいことがある」新潮社~が出版された。
彼にかかれば、ものごとは何処までもシンプルになる。彼は言う。
親孝行は親が生きているうちに するのではない。
親が元気なうちにするのだ。
この夏は、この言葉を深く胸に刻んだ。
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