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2006年9月30日 (土)

コンピューターを使わないですべきこと

 帰りがけには「それ印刷できないの?」とよく言われた。
 始めのうちは「じゃ、会社に戻って印刷して送ります」とやっていたが、そのうちバッテリーで動くプリンターも買って、持ち歩いた。
 今ならば「メールに添付して送ります」と言って、その場でモバイル環境から送ってしまうこともできるだろう。

 1990年代初頭、そんな僕に対する同僚の評価は
「パソコンで仕事をする変なやつ」
というものが大勢だった。
 転勤してくる社員を迎えるとき、多くのサラリーマンはその社員の風評を前勤務地の知人に取材する。
 motoってどんな人?
「パソコンとか電子手帳とか使う、変わった人だよ」
 こんなふうに言われるわけだ。

 それでも、ぜひ使いたいから指南してほしいと教えを乞う人はいた。

 2006年1月10日の記事で、僕が指南して、使いこなした人たちについて書いた。
 だがある時、僕の紹介でパソコンを買った一人が
「motoに騙された」
と喧伝していることを、人づてに聞いた。

 どうやら、パソコンを買えば、僕と同じような仕事ができると思ったらしい。
 僕の自作資料をまるごともらえると思ったのかも知れない。
 当時、最も高機能なノートパソコン1台が50万円はした。50万円も出したのだから、夢のような成果が得られるはずだと考える気持ちはわかる。

 インターネットやメールが付いてくる1997年以降のパソコンはテレビと同じ。
 それ以前のパソコンは、頭の中に設計図がない人には猫に小判。

 使いこなしていた人は、パソコンにたどり着く手前で、頭の中の設計図が爆発していたのだ。

 コンピューターを使うことで、できることがある。
 コンピューターを使わないとできないことがある。

 ただし、18歳以下の子ども達には
 コンピューターを使わないで、すべきことがある。

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