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2006年10月25日 (水)

マラソン人気1位と瀬古利彦

 2006年2月読売新聞に掲載された 日本人が好きなスポーツ調査によると、マラソンは男性では野球に次いで2位、女性は1位。
 サッカーは男女共にベスト5に入っていない。

 プロ野球やサッカー日本代表の結果に一喜一憂する人はいるが、マラソンの結果を熱く語る人は周囲にいないので、意外な印象を持った。
 しかし、箱根駅伝を主催している讀賣グループといえども、調査結果を操作することはないだろう。
 日本人はマラソンが大好きなのだ。

 日本に見るスポーツとしてのマラソンを根付かせた功労者は瀬古利彦である。
 それまでにもマラソンの名選手はいたが、レース結果、走る姿の美しさ、顔。これだけ人を惹き付ける要素を兼ね備えたマラソン選手は後にも先にも彼一人。

瀬古利彦
【 せこ としひこ 】
 三重県立四日市工業高校-早稲田大学-SB食品

1956年
 7月15日、三重県生まれ
1978年
福岡国際マラソンでマラソン初優勝 以降同大会3連覇 競技場に入り手をぐるぐる回すガッツポーズがかっこよかった。
1980年
金メダル確実と思われたピーク時に迎えたモスクワ五輪、ソ連がアフガニスタンに侵攻したため日本は不参加。
1983年
福岡国際マラソン4度めの優勝
 僕は競技場で瀬古を待っていた。
 イカンガーに次いで平和台競技場に入った瀬古。スクリーンには二人の姿が大写しになっている。瀬古ならば余力を残しているはずで、どこで彼がスパートするのかを観客が息を潜めて待っていた時。残り150m地点、瀬古の表情がゆがむ。さすがに今日はここまでなのか・・
と思わせた直後、ラスト100mの直線にさしかかったとたん、脱兎のようにイカンガーを抜き去り優勝。あまりの速さに観客は度肝を抜かれた。イカンガーは心の傷を負ったのではないか。イカンガーの親戚は「瀬古さん、それはいかんがー」と言ったかも知れない。場内放送の係りも動揺し「ただいまの記録は世界記録です」と誤報を流したが、時計を見ればこれが世界記録ではないことは誰もが知っており、それを咎める声もなかった。
1984年
ロサンゼルス五輪で五輪初出場 ピークを過ぎていた瀬古は猛暑のレースで14位に沈む。
1986年
シカゴマラソン優勝 このレースで自身のベストタイム2時間8分27秒を記録。
1988年
ソウル五輪9位
現役引退、SB食品陸上部監督就任

 最近は大きなレースでテレビ解説をつとめることが多い。
 彼はあけっぴろげな性格なのか、放送中つい本音が出てしまう。見ているほうは「おいおい」とツッコミどころ満載。
 テレビ局の信頼を失わぬよう、仕事を失わぬよう、紳士的発言ばかりの "解説者界" では異端であるが、楽しい。
 瀬古さん、これからも楽しい解説を頼みます。

 10月24日、東京マラソン事務局からメールがはいった。
 すわ、追加当選の連絡か・・
 と色めきたって本文を読んだところ

・青梅マラソンの出場を受け付けている。
・ボランティアの受付開始
 というお知らせだった。

 当初は同一日開催でひと悶着あったが、ここに来ての支援は惻隠の情に映る。

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