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2006年10月10日 (火)

会社にLANがやってきた頃

 今から8年ほど前に職場にLANがやってきた。
 ヨコに平べったいプラグが付いた線が机にきた。
 僕は さらにその8年前から自前のノートパソコンを使っているので、やっと来たかという感じだったが、周りのみんなにはパソコンがない。

 

 「motoくん、これ入らないよ」

 電話機に挿しているおじさんがいて、
 「もういやこんな生活!」
とは言わずに、根気強く説明する。

 
6極2芯と6極4芯の違いがわからない人に10ベースTを説明するのは骨が折れた。

 


 経理処理の変更に伴い、複数のデスクトップパソコンが導入された。
 その時点で8年使っていたので、パソコンは「1人1台」で使うものだということがわかっていたが、僕が「1人1台化」を提唱すると、周りはバカじゃないの?という目で見た。

 


 「一日じゅう使うわけじゃないから」
 「40代以上の人はもう無理だよ」
 「だから、5人に1台でいいよ」

 

 今、書くと笑えるが、当時はこれが日本人の標準的な考えだったのだ。

 パソコンというものには女性の方が積極的だと言うことは、この頃にわかった。
 時間さえあれば、5人に1台しかないパソコンを占有しているのは事務のおばさん。

 異動で職場も変わった3年後、この頃パソコンを教えてあげた50代のおばさんが退職する時、メールをくれた。

 「20年勤めましたが、この会社に勤めてよかったなと思うのは moto さんにパソコンを教えてもらったことです」
 とあった。

 

 もちろん「5人に1台」のパソコンを、男性営業マンが昼間から占領していようものならば「なに遊んでいるんだ?」と、どやしつけられただろう。

 当時はパソコンは遊び道具と思われていて、会議にノートパソコンを持ち込みメモをとっていると「誰だ会議中に遊んでるのは?」と言われたものだ。

 

 こうして"OA化"された会社で変わったこと
・事務のおばさんの自主的残業が増えた。
・最終退出時間が遅くなった。
・とりあえず「取り残されまい」という危機感、存在感を示そうという「アピール」の絶対量が増えた。

 

 支店長が、朝礼の訓示で事務のおばさんに
「パソコンなどを使って戦略的事務ができない人は辞めて下さい」
と言ったけど、誰1人辞めなかった。
 それはそうだ。おばさんたちは
「戦略的じゃないのはどっちよ?」
と心で思っていたからだ。

 


 その頃、僕が会社に導入して最もヒットだったのはエクセルでもワードでもなく、9:00、12:00、17:00などセットした時間にチャイムが鳴る掛け時計。

 大会社は放送設備でチャイムが鳴るが、地方の貸し事務所ではチャイムは鳴らない。
 それ以前は「ケイコちゃんはお昼休みを2時間取っている」などと、女性どうしの中傷合戦があったが、とりあえずそういう次元のことがなくなっただけでも、会社の雰囲気はよくなった。

 

 改革はできることの積み重ね。
 夢のようなノウハウ、魔法のようなベストプラクティスは機能しない。

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