デコパスが分水嶺
12月5日、バルセロナはCLグループリーグ最終6節で、ブレーメンを直接対決で破り、辛うじて決勝トーナメントへ駒を進めた。
もしここで、引き分けならば、来年の決勝トーナメント、決勝戦、そして2007年も日本で開催が決まっているクラブワールドカップ・・と、何の楽しみもなくなるところだった。全国のバルセロニスタは「ほっとした」と、日記やメールに書いたことだろう。
決勝トーナメント進出は、各グループ2位まで。2位となったバルサと3位ブレーメンの差はわずか1ポイント。
もし、あの日、デコのパスがなければ、6節を戦う前に敗退が決まっていた。
遡ること2ヶ月、2006年9月27日
CLグループリーグ2節 ブレーメン
バルサはブレーメンのホームへ乗り込んだ。
前シーズンもブレーメンとは同じグループに入り、敵地での対戦はバルサが2-0で勝っている。
ユニフォームはセカンドのオレンジ。バルサ史上初めて、胸にロゴ(ユニセフ)をつけた試合。
この試合、先制されたうえに、9番をつけるエースストライカー エトーが右ひざを怪我して途中退場。オレンジが不吉な色にみえた。
バルサには勝ち運がない色があり、2003-04のセカンド(翌シーズンはサード)の通称「沼色」を着た試合、バルサはほとんど勝てていない。
ロナウジーニョの「一人時間差ノーステップゴール」が出たあの試合。スタンフォードでチェルシーに敗れ、CL敗退が決まった試合も沼色だった。
2005-06セカンドのイエローはアウェーでも着々と白星を重ねた。
オレンジはバルサ欧州カップ初制覇の決勝で着た色でもある。まさか、このまま不吉な色に落ちぶれてしまうのか。心配になった。
0-1で迎えた89分。
ゴール前に詰めたデコには、ペナルティエリアのGK前にぽっかりと空いたスペースが見えていた。デコが相手ディフェンダーの間を、ハエは停まれなくても、カラスならば器用に停まりそうな速度で送ったパスにメッシが斜めに走りこんでGKと1対1。
メッシの力量をもってすれば、難なくゴールできた。
結果的にこのデコのパスが、決勝トーナメント進出の分水嶺となった。
いよいよ、今晩からクラブワールドカップ開幕
この大会の放映権を独占している日テレは、開幕戦から全試合を生中継する。
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