デコの6月
バルセロナにとって史上2度め
デコにとっても2度めのチャンピオンズリーグ優勝の二日前。
2006年5月15日、デコはポルトガル代表メンバーに選出された。
CXすぽるとは「デコが10番を背負う」と報道し、一部のショップでは10番マーキングのユニフォームが売られていたが、発表されたナンバーは20。
10はポルトガル人の新鋭に決まった。
これでデコのW杯初出場が内定した。
そう、この時点では確定ではなく内定。
フットボール選手には怪我という可能性がある。運動量の多いサッカーの場合、一度怪我をすると軽い怪我でも復帰まで三週間はかかる。
野球のように、ベンチ入り選手がいなくなるまで交代してよいとルールならば、フリーキックだけ代わりに蹴るとか、スローインだけ投げて「W杯初出場」を飾ることはできる。だが3人しか交代できないフットボールでは、選手に温情をかけている余裕はない。もしサッカーの交代枠がベンチ入り選手全員までOKならば、カズは今頃、W杯出場の思い出を心に刻むことができたかも知れない。
まさかと思ったが、悪い予感は当たった。
W杯グループリーグ初戦アンゴラ戦を間近に控えた6月8日
練習中にコスティーニャと衝突して負傷。
ルイス・フェリペ・スコラーリ監督は
「デコのアンゴラ戦出場は12時間前に判断する」と談話を発表した。
6月10日
デコは出場できる状態にあると申し出たが、スコラーリ監督はデコ欠場を選択。
理由としては
■デコ故障再発のリスクを回避<br/>
■デコの体力温存<br/>
■デコ不在 布陣のテスト<br/>
決勝まで7試合を見越してこの3つの観点から判断したと思われた。
その数日後、イラン戦でデコは無事W杯に出場を果たす。
僕はポルトガル優勝を確信していたが、ある選手によってそれは阻まれてしまった。
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