2002年の教育改革
2002年の学習指導要領改訂で、最もニュースになったのは「学校五日制」だったが、指導内容については、次の2つが目玉である。
■総合的な学習の時間
2001年度までの指導内容を削減して、教師が自由な創意工夫で指導するために設けられた授業時間枠。
子供達は「総合学習」「総合」と呼んでいる。
文部科学省のガイドラインはなく、自由に教諭が指導内容を組み立ててよい。個々の教諭の真価が問われる。
ジーコ監督の下、自由を与えられた選手たちには、自ら考えて行動する高い能力が必要であったように「総合」は教諭に高い資質を要求している。
■教育へのパソコン、インターネットの利用
ほぼすべての教科指導内容に「パソコン」「インターネット」の文言が入った。
当時、想定された使い方は次のようなもの。
・ 世界中のデータベースを使う。
・ 国内外の学校と絵、写真、E-mailを交換する。
・ 気象観測や生態観測など、同じテーマで調査、研究した情報をウェブページにまとめ、情報交換する。~アメリカではこのプロジェクトが進んでいた。
また、指導要領施行に先立ち、移行措置的な意味合いで、文部科学省情報課による「ミレニアム・プロジェクト」が進行していた。
・2000年~2005年の6年計画。
・従来のコンピュータ教育の目標は、コンピュータ教室を作り「コンピュータの使い方」を学ぶものだったが、当プロジェクトでは、一般教室にコンピューターとプロジェクターを設置して、インターネットを一般の授業に取り入れるとした。
これまでは「12時間で教えるべき内容を10時間で教えて "落ちこぼし" を出していた」のを「8時間でわかるようにして、2時間は調べ学習や体験活動に充てる」のを目指す。
ただし、指導要領施行前から、問題点も多々、指摘されていた。
1、1995年までに入れたパソコンが、既に古くなっている。
2、インターネットを授業で使うには、コンピュータールームに20本程度の高速回線が必要だが、財源がない。
*1998年11月、郵政省は予算300億で、全国1,000校に無料でインターネット接続すると発表していた。「ほとんどの学校のパソコンは死んでいるも同然。このままではますますアメリカに引き離される」ための措置。
3、依然として、使い方を指導できる教師が少ない。
4、教師にコンピュータやインターネットで教材作りをする下地がない。
次回、1月25日につづく
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