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2007年1月25日 (木)

日本でコンピューターの教育利用が進まない理由

 学習指導要領の改訂により、2002年度から、教科指導にインターネットとパソコンの利用が始まった。
 だが、日本では、教師にコンピューターやインターネットで教材作りをする下地がない。

 米国では、同じテーマで調査、研究した情報をWebページにまとめて、情報交換するプロジェクトが進んでいる。
 米国で、こうしたコンピューターの教育利用が進んでいるのには理由がある。

 米国には日本のような「指導要領」「検定教科書」がない。
 教師は昔からタイプライターやワープロを使い、自作の教材を作っていた。
 キーボード配列に慣れており、コンピューターを活用する下地がある。
 また、コンピューターを教科指導に利用することへの制限もない。

 日本では、2002年4月施行の新指導要領や、2000年からのミレニアム・プロジェクトにより、ようやくインターネットやコンピューター利用の規制がなくなったが、それを教材作りに活かす下地がない。

 教材は検定を通った教科書を使わなければならない。学校でおこなうテストも業者テストを購入して使っている。なかには、著作権の利用範囲を超えて、複製するケースもある。先生が自作教材で教えるという余地はほとんどない。

 一方、時間的な制約もある。
 学校行事、教育委員会の行事、生徒指導、部活指導、日々起こる問題。
 日本の先生の就業時間には、コンピューターを利用した教材作りに取り組む時間は残されていない。

 そして、コンピューターの教育利用を阻む最も大きな要因は、日本の教育におけるコンピューター・アレルギー=CAIアレルギーである。

 次回2月1日につづく



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