勇気のハイタッチ
フルマラソンランナーの荷物を積んだトラックは、予定より25分遅い9時10分頃。ちょうど号砲とほぼ同時にお台場へと出発して行った。
締切を過ぎても、最後の1個までランナーの荷物を積み込んだのだ。
前から2台めのトラックがスピーカーのコードをひっかけて、あわや音響設備をなぎ倒すかとヒヤリとしたが、別のドライバーが気づき、けたたましく警笛を鳴らして事なきを得た。
皆が口々に「よく、あの細いケーブルが見えていたものだ」と感心する。いかなる時も、集中力を切らさないで前を見据えているドライバーなのだろう。
トラックを見送るとすぐ、サトウさんと二人で階段をかけ上り、スタート地点へ。
3万人の洪水のようなランナーに「がんばれ~」と叫びながら、右端を走ってきたランナーにハイタッチ。
すると、我も我もとランナーが右に寄ってきて、僕のハイタッチに並ぶ。
まるでゲストのQちゃんか谷川真理状態。
「一度やってみたかった!」という女性
恥ずかしげに手を出す男性
僕が気づかなくて、出しかけた手を引っ込めた方。
去年の荒川、前を行くランナーがハイタッチするのを見て、じゃ僕もと寄って行ったら、手を引っ込められて恥ずかしかったのを思い出す。
50人ほどのランナーとハイタッチ。
こんな僕のハイタッチでも、少しは勇気になったと思う。
人垣がまばらになり、そして途切れた時、時計をみやると9:29
3万人が19分で通過したのには驚いた。
片側3車線、合計6車線の威力だ。
ランナーを見送ると、身体が震えているのに気づいた。
その震えが止まったのは、1時間ほど暖を取ってからだった。
「来年は、きっとコース上で会えるでしょう」
サトウさんと握手して別れた。
さらに応募者は増えるかも知れない。それでも僕らはきっと来年の今日、コース上を走っているだろう。
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