各位様を指摘しますか?
ビジネス文書の宛名に「各位様」と書く人がいる。
「各位の皆様」というのも見たことがある。
そういう自分も以前は「各位様」と書いていた。
各位の意味は「皆様方」
各位様と書くと「皆様方様」
各位の皆様と書くと「皆様方の皆様」
ということになる。
たとえば会社の佐藤さんが「各位様」と書いたメールを同僚の伊藤さんが読んだとする。
伊藤さんは黙ってはいられない性格というわけではなく、常に自他を共にみている人。相手のことも自分のことと思い、間違っていることがあれば教えてあげようと考えている。
伊藤
「佐藤さん、宛先の各位様だけど様は余計だよ。各位は皆様方って意味だから、各位様だと皆様様になっちゃうよ。どうしても様をつけるなら担当者様各位みたいに前につけるといいよ」
伊藤さんがこう指摘する。
その時の佐藤さんがあなただとしたら、あなたはどういう反応をするだろうか。
A「そうなんだ。教えてくれてありがとう。また何か気づいたことがあったら遠慮なく教えてね」
B「そうなんだ。教えてくれてありがとう」
C「あぁそれね。知っていたけど、つい間違ってしまった」
D「それは知っているけど、みんながそう書いているからそのほうがいいでしょう」
恥をかくのは自分。
常識がない人だと思われるのも自分。
人々は平穏を求めている。
耳障りのよい言葉を待っている。
現代の社会では
「なんでも遠慮なくつっこむこと!」
というローカルルールでも決めない限り、互いにまちがいを指摘することは難しい。
おおむね、まちがいを指摘する人は煙たがられる。
各位様と書き間違えている人がいても、誰も指摘しない。
「恥をかくのはその人だし、知ったことじゃないよ。
教えてあげたのに逆切れされたら割に合わないよ」
そして、自他を同じにみて教えてあげること自体は尊いことだ。
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