35km過ぎの関門
36km
35キロというのは、たいていのマラソン本に”大きな関門”と書いてあり、スタミナが切れて足が止まる所ということになっている。
だがこの風の中、足が止まっているのか、風で留められているのかがわからない。
歩き始めた時、遅くとも35kmあたりからは再び走って終わりたいと考えていたが、足の状態を考えると残り7キロはとても走れそうにない。
4つ持参した最後の「パワージェル」を流し込み第13エイドへ。
ここは荒川名物「シャーベット・ステーション」
どんなことがあってもこれだけは食べてやる!と決めていたのでそそくさと取りに行く。するとバットに並んだカップのうち10個に1個くらいしかさじが付いていない。
「さじ付きのを」と言いながらそれをとる。あとの人はあれを飲んだのだろうか?
氷がさくさくしたのを想像していたが、実物は溶けてゆるいアイスみたいだった。
まだバナナを一度も食べてないので、それも記念に一つ取る。
37km
強風で37キロの距離表示が倒れていて気づかなかった。
1キロ毎のペース確認が命綱なので、これは痛い。
「負けないで」ZARD~ 負けないで、ほらそこに、ゴールは近づいてる♪
「遠い空」尾崎豊~ 風に吹かれて、歩き続けて、信じてみつめた遠い空♪
今の状況にぴったりはまった歌詞に驚く。
ゴールするまで一度も「完走できないんじゃないか?」とは思わなかった。
完走のために大事に行こう。膝に痛みが出ないように・・とは考えた。膝や足が痛む可能性は予測していた。けれども、それで完走できないという不安とは一度も出会わなかった。
38km
あと5kmを切る。
ここから「あと*キロ」看板が始まる。
もう再び走り出そうという選択はすてた。
この状態で走り出して足がどう反応するかは未知のこと。今日僕がやらなければいけないのは「完走」。
このラップは11分37秒。38キロを終え6時間1分。1キロ13分で歩けばゴールに間に合う。
頼む、最後まで持ってくれ、足よ。そう足に声をかけ
「あ、足も俺か」と自分につっこんでいる。"
39km
第14エイド、このあたりのエイドではZAVASの赤い紙コップにも水が入っている。売り切れたのだろう。
あんぱんが並んでいる。事前にリストを見た時に、マラソン中にパンはないだろう?と思っていたが、ここまで来れば、一通り食べてやるという気持ちになっている。
運動会で出るような、あんぱんを想像していたが、5個入り128円で売っているミニアンパンを4つに切ったものなので、量的に苦にはならない。"
40km
40キロの関門を踏む。皆のチップがセンサーに反応して「ぴっ、ぴっ」と音がする。ノートパソコンをモニタリングしている係員。間もなくあのパソコンから GTMails が配信されるはず。誰か速報を見てくれているだろうか。
(結局、送信は失敗していた)
このあたりで撮影された僕の写真(写真販売サイト)を見ると、陽が射して影が映っているが、暗く寒かった記憶しかない。風で左目はほとんど開かなくなっていた。
(目が白く濁り元に戻るまで半日かかった。翌年はレンズ面積が広いメガネを使うことにした)
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