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2007年3月14日 (水)

コース上を散歩する住民

 31km
 30.1キロ第11エイド。
「給水および給食」リストによると、ここに唯一「おにぎり」があったらしいが、僕が行った時には見あたらなかった。荒川静香が宣伝している金芽米を食べてみたかった。
 後で新聞で読んだところ、おにぎりはたくさん作られて、ランナーだけでなく応援の観衆にもふるまわれた・・という。
 遅いランナーは食べてないんですけど・・

Itabashi 30kmあたり

 4時間35分を経過して、128MBの音楽プレーヤーは曲が一巡。二度めの「ヘイジュード」が流れてきた。
 エナジータブを取る度、だんだんと取る量が増える。3つ口に含んで残りはポーチに投げ込む。

 32km
 あれ?ゼッケンを付けてない人がいる
 と思ったら、コース上を住民が散歩している。向かい側からはジョギング中のランナーともたくさんやってくる。
 ここは日頃、近隣の皆さんの憩いの場であり、マラソンの日はほぼ一日、ランナーに占有されてしまう。一般市民がコースのど真ん中を悠然と歩く気持ちもわかる。
 ウォーキングに切り替えてからは31、32km区間だけが10分台。あとはすべて11分を超えた。

 33km
 5時間を過ぎた。あぁ5時間もずっと、こうして走ったり歩いたりしてるんだ。これは現実なんだなぁ。
 ずっと空想の世界だったことが、体験を通して僕の想像力に組み込まれていく。あぁ三ヶ月間やってきたことがあと2時間で終わってしまう
(と、強がり半分で思いこむ)

 一度、立ち止まり、ひざのテーピングをセラポアから、伸縮テープに交換。
膝をやってしまった時に固定するために持ってきたが、幸い今日は膝の痛みが全く出ない。

 34km
 強風で背中のゼッケンが飛んで安全ピンだけが残った人、風でちぎれたゼッケンを手に持って走る人。記念にどうしても持ち帰りたいのか。
でもちぎれる瞬間をキャッチできるわけもないので、自分でちぎったのだろうか。
(終わってみると、自分の背中のゼッケンも傷みがひどかった)

 左足はけっこう痛くなっているが、右足はほとんど痛みがない。
 「右足、お前、すごいな」
と言ったあと、左足がすねないように
 「いや、お前もよくやってくれてる。ほんとにありがとう」
と左足をねぎらう。

 まばらになったランナーにもう会話はない。

 35km
 オリンピックに行く前の選手が「楽しんできます」と言って非難されていたことがあった。
 競技を楽しめるか否かは、当日の心の状態次第。
 事前準備がきちんとできた人が「楽しみたい」と言っているだけのこと。目くじらを立てることではない。

 走りながら考えていたのは、楽しむのではなく、楽しいのであるということ。楽しもうと思って臨んでいても、本番で心身の状態が悪ければ、全然楽しめない。
 正確に言うならば
 「きちんと準備はできたので、当日楽しいといいなと思います」
となるだろう。

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