バルセロナで英語が話せる女性
バルセロナに行くことが決まった時
佐野元春 「バルセロナの夜」の世界はどんなものだろうと考えた。
かの曲のようにはかなく優雅な空気が流れているのだろう。
バルセロナで最後の夜もフリータイムとなった。
当初、3時間だけと思っていた自由な時間も思いのほかとることができ、この日僕ら一行は3度めのグラシア通り詣でに出た。
初めて夜のバルセロナの街へ出る。
いつもはヒルトンからタクシーで行くが、皆が乗ってみたいと言うので地下鉄を使う。ちょっと照明が暗い以外はなんの変哲もない鉄道だった。
初日にビンソンがいまひとつだったので、ミクシィのコミュニティで取材して別の文具店「KONEMA」を教えてもらった。そちらは低価格のものから超高価格のものまでよく揃っていた。
ショウウィンドウにオレンジ色のボールペンが飾ってあり、かっこいいので値段を聞くと、プラチナが使ってあるらしくちょっと手が出ない値段だった。
仲間の一人は
「ボールペンとシャープが1本でついたやつでセンスがいいの」
を頼まれていて、見事に見つかったと喜んでいた。
アイテム別ではなく、カラー別にディスプレイしてあるのが珍しい。
色鉛筆専用の差込口がついた鉛筆削りが可愛かったので、色違いで赤と青を買う。
そうして目に付いたものを片っ端からカゴに入れて行く。
もう来ることはないだろうからこの機会にと思って買ったモノのいくつかは、数年たった今もおニューのまま引き出しに眠っている。
こういう場面で使うだろう。
誰かにお土産が必要になるかもしれない・・・
旅先での想像力はほどほどにする必要がある。
お勧めの店の中にあった本屋さん「ハッピーブックス」に入る。
仲間は誰も興味がなく1分で外へ出てしまった。
かくいう自分も言葉の壁は厚く、記念に栞を一つ求めるのが精一杯。
なぜか「情熱の国」と言われるスペインのイメージを代表するのは闘牛とフラメンコ。
闘牛はやっていなかったので、フラメンコを見に行くことにする。
フラメンコが見られて、パエリアが食べられるお店。そのリクエストにヒルトンの日本人コンシェルジェが回答してきたのは EL PATIO ANDALUZ。
お腹を空かせようとあちこち歩き回りお店を目指す。
近くまで来ているはずだが場所がわからず、道行く人に尋ねる。
「ペルドーネ! ドンデ エスタ エル パティオ アンダルス?」
だが旅行代理店勤務者の団地でもない限り、世界中どこの街でも店名だけで場所を知るのは難しい。
3人めに声をかけた女性が英語を話せた。
カタラン(カタルーニャ語)かスペイン語のこの街で英語が話せる人は珍しい。
空港でもタックスリファンド(税金払い戻し)窓口を尋ねるのに、言葉が通じなくて困った。
結局、最後は紙とペンを出して
「エスクリーバロ アキ!」(ここに書いて)となる。
英語が話せる彼女は「お店のパンフレットはないの?」という。
そうして詳しい道順がわかった。
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