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2007年4月10日 (火)

立ってはいけない席

 去年、神宮球場にヤクルト対巨人戦を観戦に行った。
神宮で巨人を見るのはこれが二回目。

 前回は民法テレビ局の懸賞で三塁側内野席が当たった。
 松井のホームランが右翼席中段まで飛んだ。
 バットがボールを弾く乾いた音が耳に残った。
 後で知ったのだが、その日は「球音を楽しむ日」
 鳴り物の応援を自粛していたのだった。
 内野席の巨人ファンはおとなしい。
 メガホンを振って応援することもない。少し物足りなかった。レフトスタンドの喧騒に混ざりたかった。

 さて二度めの神宮はレフトスタンドに陣取った。
 バックスクリーン裏から外野席に入り右に曲がると、そこはオレンジ一色の世界。
 オランダ代表の応援席かと思った。
 ドイツW杯に1ヶ月行って来たデコファンクラブ仲間によると、オランダ応援団は街でビールを呑んでいてもすぐわかるそうだ。そのあたり一面がオレンジに染まるから。

 席はレフトポールぎりぎりだが、視界をさえぎるものはなく内外野が見渡せる絶好の席。バックネット越しに見るのとは違う開放感があり、否が応でも試合への期待が高まる。

 試合が始まった。1回表巨人の攻撃
 いきなり前方に壁ができた。
 「8」「24」
 どうやら仁志と高橋のユニフォームだ。
 誰かがホームランを打ったというわけでもない。二人で立ち上がって応援している。
 おいおい、いきなり立つなよ。

 試合は初回に先発の内海が7点をとられたが、巨人が逆転して勝った。
 僕は試合をスコアボードで確認していた。
 映像といえば、ビジョンに映しだされるリプレイのみ。
 グラウンドが見えなくて困るのは走者がどこにいるのかがわからない。
 試合を見に来たけれど、グラウンドが見えない人のために、スコアボードにランナー位置表示が必要だなぁと考えていた。

 仁志と高橋は一度も座らなかった。
 僕は「8」「24」のレプリカユニフォームの背中を見に行った一日となった。
 ずっと立っていたのはこの二人だけではない。たくさんの巨人ファンが立ったままで応援していた。
 僕がしばらく球場に足を運ばないうちにルールが変わって、外野席では立って応援するのがデフォルト。座りたい人はグラウンドが見えないことに文句を言ってはいけないということになったのだろう。

 次から外野席のチケットを買わなければ済むだろうか。
 いや、いずれ内野席でも立ちっぱなし応援団が出現するかも知れない。運悪くその応援団の後ろになったとしたら・・内野席はチケット単価が高いだけにさらに悲惨だ。

 この世に立ちっぱなしで応援したい人がいる限り、
 立ってはいけない席が必要だ。

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