DECO20の文字が並ぶ
最前列、最もバス寄りの位置に陣取っている。
バスに近いということは真っ先に来てくれる確率も高いが、デコが逆サイドに行った時はノーチャンスになる場所。
暗闇の中からバスが現れた。
いつもはオレンジのリムジンバスだが、今回はFIFAがあつらえたのかペイントバス。横っ腹には青地にコオロギ鍋マーク。
そこで意外なことが起こる。
いつもとは違いバスは車寄せに斜めに頭を突っ込んで止まった。
選手たちから正面に僕らの位置が見える。
バスを降りた正面に僕らがいる。
夢中ででこすけをアピール。
バスの中でバルサの選手がでこすけを見て笑っている。
いつもと同様真ん中あたりでデコがおりてくる。
ちょっと膨らんだが、デコは僕らのサイドにやってきてサインを始める。
僕らを通り過ぎた位置あたりで数人にサイン。
逃してなるものかと必死に叫ぶ。
「ポルファボール ポルファボール ポルファボール」
10回くらい連呼した。
順路とは逆にデコはこちらに向かってサインをしている。
そして何かぶつぶつ言っている。
表情はなんだか怒っているように見える。
僕らに対して何かを言っているようだ。
「危ないから押すんじゃないぞ。冷静になるんだ」
と言っているのか、それとも
「僕らは試合に来ているんだから、おっかけばかりしちゃ困るな」
と言っているのか。
どうみても
「いやぁいつも来てくれてありがとう。明日は応援を頼むよ」
という平和な内容にはみえなかった。
そして左の男性のマジックで僕がさしだしたデコ20マーキングの2005-06HOME長袖にサイン。
まだ右隣りの仲間がサインをもらっていない。
この日のために巨額の交通費をかけてきている。なんとしてでもここで帰られては困る。
「ポルファボール ポルファボール ポルファボール」
また連呼した。
デコは先の黒マジックで、同じくデコ20マーキングの2005-06HOME長袖にサイン。
僕のはDECOの上の余白。仲間のは20の金文字の上。
僕らのユニにデコの文字が並んだ。
諦めずにいたら、夢は叶う。
今日はそんな言葉を立証する一日だった。
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