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2007年5月13日 (日)

入れ食いの夜

 デコとの糸がつながった。
 デコにファンクラブの状況を伝える確実な方法は、その情報を直接手渡すことだ。
 まだデコの自宅住所もメールアドレスも知らない今、これが一番堅い。
 この日、4-0で快勝した試合を観戦してきた仲間も、デコが僕のお土産を受け取ってくれたことをファンクラブのコミュニティで報告すると、心から喜んでくれた。

 明けて翌日
 この日は木曜の準決勝と日曜の決勝の2試合を観戦に来た関西のメンバーが合流。
 いつもとは違うおっかけチームとなった。
 バルサはこの日、Jリーグクラブのホームスタジアムを借りて練習するということが、事前にバルサ公式サイトでアナウンスされていた。

 チームのスケジュールを公式サイトで公開してしまうところが大らかだ。
 恐らく、準決勝から上京して決勝までの2日間を手持ち無沙汰に過ごすファンも加わってくる。この日はすごい人出になるだろう。

 練習開始を19時と読んで1時間前には現場に着いた。
 だがスタジアムは閑散としている。
 東京で12月の18時といえば、もう真っ暗に近い。
 近所のサッカー小僧たちがかすかな街頭の光を頼りにボールを蹴っている。
 関係者の入り口らしき場所には、ファンどころか警備員すら居ない。
 薄暗い廊下には一つだけ、蛍光灯が灯っている。人の気配を隠すためのカモフラージュなのか。

 僕らファンクラブメンバーはほくそ笑んだ。
 これはものすごい入れ食いの日になる。
 選手が来る頃には何らかの制限があるのだろうが、少なくとも好位置を確保できる。
 僕らは、バスがここに停まって選手はこのように歩いてくるだろうから、ここがベストポジションではないか?などと幾通りかのシミュレーションを行った。

 すると、ボールを蹴り終えたサッカー小僧の一人が自転車でやってきた。
 「きょう、バルサ来るんですか?」
 「うんそうだと思うよ。でもあまり言いふらして回っちゃダメだよ」
 あたりには誰もいないのだが、声を潜めて答えた。小僧は目を輝かせて自転車を勢いよくこいで何処かに消えて行く。

 刻々と19時が近づいてくる。
 照明等にはまだ灯が入っていない。
 普段ならば、使う前の30分前にはスイッチを入れる。今日は練習開始が遅いのだろうか。
 すると、目の前の蛍光灯が消えた。
 ロックコンサートで、開演前に客伝が落ちる。これはこれから始まる興奮の情景のプロローグなのだろう。蛍光灯が消えたあと、一斉にスタジアムに灯が入る瞬間を息を呑んで待った。

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