左側の車窓
身体が冷えたのか、くしゃみが止まらない。
バスが走りだしてしばらくして、まだウォークマンから音楽が鳴っていたことに気付き、ストップボタンを押してヘッドホンをウェストポーチに仕舞った。
35kmの給水所に着く。もうランナーは先へ行ってしまった。
ボランティアの皆さんはバスに乗っている僕らに手を振り始めた。
よく頑張りましたね。
その気持ちは嬉しい。
さっきまでは応援に笑顔やハイタッチで応えられた。
でも今、僕たちにはその励ましに応える術がない。
苦笑いを浮かべる。
悔しい表情を隠さない。
放心して焦点の合わない目をする。
いろいろやってみた。
収容されたバスで沿道の声援を受けるという経験は、マラソン人口が増えたといえども、なかなかできないものだろう。
進行方向の右側に座れば、防砂林の隙間から海が見えたのかも知れないが、こうして左側に座ったことで貴重な体験ができた。
言うまでもないが、バスにはバスガイドはいなかった。
バスガイドがいて、今日は残念でしたね。でも来年がありますとか言って、では湘南にちなんでサザンの「バイバイマイラブ」を。。
と言って歌いでもしたら、それはそれでシュールな光景だったかも知れない。
時々バスはコース上で停車して、第三関門を過ぎてリタイアした人が数人乗ってきた。
今日は終日国道134号が封鎖されている。いつもは行楽の車で大渋滞するらしいこの道路。江ノ島が近づいてくるに連れて、駐車場は閉まっていても大勢の客で賑わっているレストランが増えてきた。
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