写真はイメージです
105円アイスどれでも1コ58円
お、安い。買いに行こうかな。
久々にスーパーのチラシを見ている。
かつてインフレの頃は、目を皿のようにしてみていた。
デフレになって以来、チラシを見る必要が無くなった。
店に行けば安いからだ。
デフレの今は、店に着いて食品売り場を歩いているだけで、お買い徳な品が目に飛び込んでくる。
GW中の特売品が並ぶチラシは、慣れ親しんだ百年一日のごときレイアウト。
値段だけを訴求する広告だからこれでよい。
ただ、そこにかつてはなかった違和感のある文言をみつけた。
※写真はすべてイメージです。
その文言はB3片面だけで12回登場する。
そのキャプションが付くのは鮮魚、精肉、野菜の写真。
「かっぱえびせん」や「大関のものも」の写真には付いていない。
「おい、このロシア産甘塩辛子明太子は広告の品より赤色が薄いじゃないか」
「この黒毛和牛等級4サーロインステーキ用はチラシよりも5%油身が多いぞ」
このような厳しい消費者が増えているのだろう。
スーパーマーケットの広告担当者も大変な仕事になったものだ。
このような消費者思いの気配りは、旅行代理店の広告担当者が元祖だ。
昼食は海鮮三色ちらし弁当(イメージ)
確かにえびが1匹少ないとか、とんかつだと思ってツアーに参加したのに、魚フライだったというクレームが付くかも知れない。
紅葉の紀州路(イメージ)
当日が曇りだったり、土砂降りだったら、景色も台無し。
風向きによっては、木が右に10度傾いているかも知れないし、自然愛好家の中には「約束が違う」と怒り出す人もいるのだろう。
ハウステンボス園内ホテル(イメージ)
当日、行ってみたら手違いでとなりのホテルになるかも知れませんということだろう。
事件が起こるたび、企業は想像力を問われる。
想像力豊かな人たちは、あらゆる事態を想定する。
彼らは責任逃れのためには、打てる手はなんでも打っておく。
「写真はイメージですって書かないで文句言われるリスクを考えたら、書いておくのが無難でしょう。文言増やしても料金は同じだし。要は安けりゃ客はつきます。イメージですと書いているのが鬱陶しいと言ってくるのは、買わない傍観者たちですから、問題ないでしょう」
世の中の大多数である一般的な消費者は、大変、息苦しい。
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