サプライズパーティ
これまでの生涯でサプライズパーティを3度開いたことがある
その一度目のこと
それはパーティと呼べる人数ではないかも知れない
当時僕は職場の中ではとても厳しい立場にあり、権力闘争で言うならば非主流派といえる位置にいた。
その時、同じ立場だった田中さんと意気投合した。
二人でよく連れだって呑みに行き、愚痴をこぼし合った。
女の子の話しもした。
彼はよくこう言った。
「職場の鈴木さんと佐藤さん二人に囲まれて呑めたら、死んでもいいな」
鈴木さん、佐藤さんは社屋の中でもひときわ目を引くルックス。彼は二人にあこがれていた。
田中さんは僕よりも少し年上だがとても腰が低く、人の話をよく聞く好青年。少し天然ぼけが入っていて、彼がぼけて僕がツッコむ。
二人で振り付きで歌う「無縁坂」
何度歌ってもハモリがずれる「夏の終わりのハーモニー」
は周囲の爆笑を誘った。
そんな二人に別れの時が来る。
定期異動が発表されたその日、内示を受けた彼はまっさきに僕に言いに来てくれた。
「motoちゃん、おれ異動になっちゃったよ」
何も彼が悪いわけではなく、僕に気兼ねすることなど何もないのに、彼はとてもすまなそうだった。僕がまた独りぽっちになるのを心配してくれていたのだろう。
彼の出発まであと2週間となったある日
僕はあることを思いついた。
そうだ。サプライズパーティやろう。
5月3日につづく
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