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2007年6月 8日 (金)

業務フロー

 コンサルタントやSEは "業務フロー" という図を書く。

 発注者→受注窓口→受注表起票→画面入力→在庫引き当て→出荷作業
こうした仕事の流れが、図になっている。

 「発注者」「受注窓口」といった項目は四角い図形(オブジェクト)で表現されていて、それが "線" で結ばれている。

 その表では「会社」「人間」「部署」も「コンピューターシステム」「作業名称」「帳票」もすべて同列の図形として扱われることが多い。
 厳密にいえば、組織、モノ、システムといった概念ごとに書き分けるべきなのだが、そういう論理に明るい人は少ない。

 この図を毎日のように書き、この図で仕事の説明をしている人はだんだん頭がおかしくなる。(自分ではそのことに気付かない)

 どうおかしくなるかというと、人を人として見られなくなってしまう。
 働く人を人間として見なくなる。
 エクセルやパワーポイントの一つの図形だと思うようになる。

 「受注窓口が画面入力した後、状況を追跡できない?
 そんなの必要ないよ。
 それは出荷部署がわかっていればいいことだよ。
 もし発注者から問合せがあったら、出荷部署に聞けばいいことだし」

 こんなことを平気で言う。

 実際に発注者から問合せがあったとする。
 受注窓口が
「いま、商品がどこにあるかはわからないんですよ。
 確認して折り返し、ご連絡します」

 それを聞いた発注者は
「あんたら、そんなこともわからんの?
 なんのための窓口なの?
 それじゃ子どもの使いじゃん。
 全然意味がないよ」
 といったことを、悪気もなくあっさりと言ってのける。

 一生に何度、人は「全然意味がない」と宣告を受けるだろうか。
 それを何度も宣告される人は健全に生きていけるだろうか。

(6/9につづく)

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