相手の立場を思う想像力
相手の立場を経験したことがないと、人は想像力が働かず、ひどい言葉を言うことがあるという自戒が、新たに脳に記憶された。
もし僕が二度目のこのマラソンでまたも完走を手に入れていたとしたら。
完走できなかった人の心を思いやることができたか、甚だ疑問だ。
江ノ島に渡りきった頃には、もうゴールのエイドは店じまいしていて、水をもらうことはできなかった。
「交通規制を解除します!道路から歩道に上がってください」
警察官がマイクでがなっている。
ヨットレースの役員をしている同僚の姿を探す。
ヨットハウスにいるのだろうかと中をのぞき込んだが、たくさんの人でごった返しており、とても見つけられそうにない。
もうとっくに完走扱いの制限時間は過ぎているし、きっと自分の持ち場に戻ったのだろう。
ところが、この時彼は、僕が想定していない意外な場所にいた。
荷物受取テントは選手であふれていた。
ぎりぎりで完走し終えたランナーとDNFランナーが混ざり合った時間帯。
昨日は「湘南ゆかりのミュージシャン」のライブが行われたステージあたりに完走賞の引き換え所が設けられている。
完走していないけれど、Tシャツがもらえるならばもらって帰ろうかと一瞬思う。
しかし、係員が「チップと交換で完走賞を受け取ってください」とメガホンでがなっているのを聞いて、すべてを了解した。
第三関門でチップを回収したのは、そのためだったのだ。
その場所に用のない僕は、まっすぐ荷物置き場のテントに向かった。
ゼッケン番号ごとに区画されたテントに入り、自分で自分の荷物をさがす。
自分で探す方式は荒川マラソンと同じ。テントの出口に係員が立っていて、ゼッケン番号と荷物に貼ったステッカーの番号を照合する。
東京マラソンではこれをボランティアが探す方式にしたため、大変な待ち時間が発生した。
ここで驚いたのは、係員が片手で持ったマジックで、ゼッケンにチェックを入れること。
胸のゼッケンに手を添えるでもなく、いきなりぴっと書く。少し手元が狂えば、衣服にマジックがついてしまう。とても感じが悪い、乱暴な対応だ。
荒川では目視確認でOKだった。同じ番号の荷物は1つしかないのだから、ゼッケンにマジックを入れる意味はない。
荷物を持って近くの芝生に陣取る。
人が二人座れる程度のレジャーシートがマラソンではいつも役立つ。
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