胸ロゴスポンサーの意図
2006年7月14日
FCバルセロナはユニセフとの提携、5年契約を発表。
これにより早晩、バルサのユニフォームにロゴが入ることになった。バルサは世界中のクラブで唯一、100年の歴史の中で胸にスポンサーロゴを入れたことがない。ソシオという会員組織の会費収入、その他の商業収入でクラブ運営を賄ってきたからだ。
ただ、FCバルセロナは巨額の累積赤字を抱えており、この伝統を捨てなければならない日がくると、評論家とバルセロニスタは書いていた。
だが、ラポルタ会長政権以降の改革が功を奏し、財務状況は改善した。
そこで、バルサはお金をもらって胸にスポンサーロゴを入れるのではなく、お金を払ってロゴを入れるという予想外の結論を出した。
一フットボールクラブでありながら、カタルーニャ文化を世界に伝える大使としての役割を自認するマーケティング戦略の一環である。
だが新シーズンのユニフォームは既に発売されている。
ユニセフロゴ入りのオーセンティック・ユニフォームが市場に並んだのは10月以降。長袖も当初はユニセフロゴなしのものが売られていた。
バルセロニスタは二者択一をした。
・伝統のロゴ無しユニフォームを買い、ユニセフロゴが入る5年間はユニフォームを買わない。あるいは来年のことは来年また考える。
・ロゴにこだわらず、そこにあるものを買う。
ユニセフとの提携から二日後の7月16日には日本の「楽天」と楽天と業務提携を発表。日本語ウェブサイトの運営、クレジットカードの発行などを行う。
楽天スタッフが翻訳してくれることにより、日本のファンはFCバルセロナが発信する情報を迅速に収集することができるようになった。
バルサ公式サイトはまずカタラン(カタルーニャ語)で情報が更新される。その後、スペイン語、英語、日本語のそれぞれのサイトが更新される。
2005-06シーズンまでは、日本人はバルサ公式サイトで1~2か月前の最新情報を見ていなければならなかった。
そして、9月25日には楽天との提携事業第2弾バルサカード(VISA提携クレジットカード)の受付が始まる。楽天の利益の大半は金融で生まれている。楽天がバルサと提携する最大の狙いはこのクレジットカード会員の獲得であろう。このカードに申し込むとニ冠記念キーホルダーがおまけについてきた。
券面デザインは「コオロギナベロゴ」と「スター選手6人」の2タイプ。
デコも無事6人の一人として登場している。6月にデコのブログで、ナイキが編集した2005-06の名場面集にデコが登場しないことが書かれていた。デコが券面に登場するかはデコファンクラブにとっては大きな関心事だった。
並び順は
後列 デコ ロニー エトー
前列 プジョル メッシ シャビ
国外選手、生え抜き選手のバランスで成り立つバルサらしい人選と配列だ。
全員が胸にユニセフロゴが入っていない(右腕のLFPバッジは付いている)2006-07シーズン1stユニフォームを身につけている。
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