スマートメディアお助け隊
2つめのデジカメ(ファインピクス)のメディアはスマートメディアだった。
名は体をあらわしていて確かにスマートだったが、薄くて今にもぱきっと折れそうで、触るのが怖かった。
スマートメディアは東芝が商標登録している切手サイズのメモリーカード。
1995年に出た日本初の量産デジカメ、CASIOのQV-10はメモリーが内臓型で取り外しはできなかった。
撮影可能枚数は96枚で固定されており、このカメラを持ってハワイに行った友達は、旅の途中で全部写真が消えたと言っていた。96枚以上を超える長旅では2台買って持って行くという人もいた。
1999年頃になると、発売されるデジタルカメラ、ICレコーダーの大半は外部記憶メディアを利用するようになり、Fujiフィルムはスマートメディアを採用していた。
メディアは別売。最大容量は発売当初からずっと64MBだったが、2001年春に128MBが発売になった。結局これ以上に大容量化することはなく、128MBが最大となっている。1999年暮れの実勢価格は16MBで3,000円。
デスクトップパソコンでは、デジカメ→パソコンに画像転送する場合、FDケースにスマートメディアを挿し込む「フラッシュパス」を使っていた。
一方ノートパソコンでは、PCカードスロットを使って送信ができる。PCカードアダプターにスマートメディアを挿して使う場合、転送速度はフラッシュパスの約30倍、値段も実勢価格5,000円でフラッシュパスよりも安く済んだ。
2000年暮れのある日、11ヶ月使っていたスマートメディアが、読み書きできなくなった。
メーカー(I・O DATA)に問い合わせると「初期不良ならば交換するが、消耗品なので、1年近く過ぎたものは補償できない」という。
買い換えるとなると出費が痛い・・
なんとかならないかと思っていたところ、インターネットでボランティアによる非営利組織”SmartMediaお助け隊”を発見。復旧を依頼してみることにした。
そのウェブサイトに行き、所定のフォーマットを印刷。
「可能ならばデータ修復を希望」にしておいて、ダメな場合は再フォーマットを依頼する。元々データが助からないことなど、たいした問題ではない。
「初期化」されて戻ってくるだけでも、買い換えることを思えば願ったりである。
申し込み書を添えて、郵便で読み書きできなくなったスマートメディアを送る。
送り先住所から判断する限り、スマートメディアの規格開発会社、東芝がボランティア組織を使って運営している様子。
待つこと1週間ほどで、再び使えるようにフォーマットされて戻ってきた。(無料)
その後、次のデジカメを買うまでの2年間、無事に使い終えることができた。
「SmartMediaお助け隊」は2007年3月31日でサービスを終了した。
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