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2007年7月31日 (火)

地震の誤報で止まる電車は?

 果たして"震度6弱の揺れになる"という「緊急地震速報」の後にやってきた地震が震度3だったという7月24日のケースにおいて、この情報を"誤った情報"と言っていいのだろうか。
 確認しただけでも、NHKと讀賣新聞は、それを「誤った情報」「誤報」と紹介している。
 誤報を浮き彫りにするために「鉄道」が引き合いに出されるが、同じく速報を導入していた病院や学校はどうだったのか。1mmの誤差が大出血を招く手術が日常的に行われている病院でも、多くの人が誤報に迷惑していたのだろうか。

 時間は未来から過去に流れており、未来からやってくる情報は誰も100%の確証を持って語ることはできない。霊視能力者は高い確率で未来を予見するが、それさえも、その予見された情報を聞くことによって行動ルートが変われば、結果は違うものになる。
 未来を予測した情報を、時制が過去になったあとで「誤報」と言ってよいならば、メディアが伝える選挙前の改選議席予測などは誤報だらけだ。

 そもそも、大事を取って電車が止まることの、どこが悪いのか。
 何も情報がなく、電車が止まらなかったことで、多くの死傷者が出るリスクを考えれば、これは誤報と呼ぶべきではない。一つことばを選ぶならば"転ばぬ先の杖"が妥当だ。
 「何やってんだ、気象庁。電車止めやがって。こっちは急いでいるんだ」
 乗客はこう思っただろうか。

 ただ、関西の皆さんはその心配は不要だ。

 10月1日より、緊急地震速報が一般公開されるニュースに混じって「12月よりJR西日本も導入を決定」といった記事が見える。
 
あのぉ、まだ入れてなかったんですか?
 今年いっぱい大地震が関西で起きても、電車が止まることはない。
 関西の乗客はダイヤ通りの運行で、利用できる。

 ただし、南海、近鉄、京阪の各私鉄は既に「緊急地震速報」を導入済み。
 関西の皆さんは"誤報"で足止めを食いたくなければ、南海、近鉄、阪神以外の私鉄かJRをどうぞ。

つづく


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