「きーん」と響くコンサート音量
曲は進み、元春はサビで「デリデリデリケート!」と歌っている。
皆の頭には相変わらずの???マーク
なんだ、この歌は。
普通ならば、名刺代わりは「アンジェリーナ」か「ガラスのジェネレーション」だろう。
そう、オープニングは「彼女はデリケート」
この時はまだ「ナイアガラトライアングル2」が出る前で、この曲を誰も知らない。
ただ僕は2コーラスの終わりがけで、沢田研二のアルバムに入っていた曲を思い出した。
そのアルバムもまた「Heartbeat」の録音を僕に頼んだあつこ先輩からの依頼だった。佐野元春はジュリーのアルバムに「Vanity Factory」など3曲を提供していた。そうと知って聞いてみれば、確かにコーラスに元春の声が入っている。だが、この時僕らはそんなことは知らない。
「この人、カバーもやるんだ」
そう思った僕は、隣りにいた?マークの後輩に「これ、ジュリーの曲だよ」と叫んでいた。
ファンは静かだったが、音はでかかった。
僕は腰が抜けるほど、この音量に驚いていた。
この「コンサート音量」に慣れるには数年を要した。
慣れるまでは、コンサートが終わって数日は耳が「きーん」と鳴ったままだった。耳に残る音の残像と共に、頭にはアラレちゃんが駆け回る姿が浮かんだ。
人間の身体はたいしたもので、この音量に対応できるようになった今は、年に一度しかコンサートに行かなくても「きーん」に悩むことはなくなっている。
26年に渡り、元春のツアーに皆勤してきた。
実際に、音が最も大きかったのは「ロックンロールナイトツアー」
その頃にはもう随分と、コンサート音量には慣れていたが、それでもこのツアーの音は大きかった。ハウリングもひどくて、ギターが歪む音は大きいというよりも不快だった。
国際センターで行われたライブで、大型スクリーンが設置されていたことがあった。モニターにはステージの元春が映し出されるのだが、時々、ナイター中継の映像が混じっていた。あまりの音の悪さに辟易した僕は、スクリーンに映る原辰徳の打席を見ながら、また打てないんだろうなぁと考えていた。
その後のツアーでは、音の悪さに参ってしまうことはなくなった。PAを司るエンジニアによって、音は大きく変わるのである。
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