押下
【 おうか 】 キーを打つこと。
辞典で「押下」をひくと「押して下げる」と書いてある。
パソコンのキーボードを押すことを表現するとき、操作説明書で「押下」と書く。
マウスボタンを「クリック」することと区別するための用語。
実行ボタンを「押す」と書くと、画面上にある「実行」ボタンをマウスでクリックするのか、キーボードにある実行キーを指で押すのかを特定できない。
「押下」はIT技術者が書く、操作マニュアルに使われる言葉。
一般には全く使われないので、初めてこの言葉に接した人は戸惑う。
漢字の読み書き、国語力にかなりの自信を持っている人でも、これは知らない。
そういう人の中には、そんな言葉を使うなと怒り出す人もいる。
ただ、IT技術者には、国語力のある人がほとんどいない。
要求定義、プログラムの仕様にはこだわるが、ことばの定義にはこだわらない人が大半だ。
「画面上の修正ボタンを押下する」
といった誤記をする人がいる。
正しくは "画面上の修正ボタンをクリックする"だ。
彫刻刀を持ってきて、液晶パネルを彫らない限り、画面に表示されたボタンを「押して」「下げる」ことはできない。
ただでさえ、なじみのない言葉であるうえ、用法まで間違われると、ユーザーはとても混乱する。
だが、ことばの違いを指摘されたIT技術者の八割は、必死に反論するだけで、何も変えようとしない。
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