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2007年10月 3日 (水)

失うものがない戦い、得るものがない戦い

 さぁ、あとはクライマックスシリーズ
 チケットが売れて、テレビ放映権もはいるオープン戦。
 讀賣グループの皆さんはさぞ、お喜びのことと思う。
 できれば、G+ではなく地上波で流してもらいたい。

 選手の皆さんは、エキジビションを控えたフィギュアスケート選手のように、結果を問われない晴れ舞台を楽しむだけ。
 これは幸せだ。

 特に巨人は前回優勝の2002年まで、日本シリーズに負けたらすべて吹っ飛んでしまう可哀想なチームだった。
 今年からは、リーグ優勝ですべてが終わっているので、何も失うものがない。

 もちろん、ロッテ、ソフトバンク、中日、阪神という4チームにも何も失うものがないが、彼らには何も得るものがない。
 ロッテの場合、監督が「これから真の勝者を決める戦いが始まる」と言っているので、その気なのかも知れないが、通訳の誤訳であることを願いたい。

 巨人ファンは皆ほっとしている。
 2002年日本シリーズ、かつて4勝0敗で負けた西武に4勝0敗の勝利。
 第4戦、鈴木尚広が浅いレフト前ヒットで生還したシーンに酔ったファンに、その後の4年は想像できなかった。

 松井秀喜が日本プロ野球をぶっ壊した。
 これは歴然とした事実だ。

 Jリーグは欧州と南米の真似をして作った歴史の浅い興業。
 だが、プロ野球は日本を代表するプロ競技だ。
 カズや中田が欧州へ行ってもJリーグは壊れないが、予定調和日本ムラ社会の象徴、巨人の4番が、そのムラを捨てた。

 人々が大切に守ってきたガラス細工のような野球ムラ社会が2002年秋、音を立てて割れた。

(10月10日につづく)

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